マイクロツーリズム(箱根観光)
緊急事態宣言が解除され、神奈川県は多くの事業者の休業要請も解除されました。街にはだいぶ人が戻ってきていますが、まだ県境をまたぐ移動は自粛するよう要請されています。
よって、週末の観光は神奈川県内に限られるため、なかなか出かける先を探すのが大変です。しかし、折角、移動制限を強いられているのであれば、普段は選ばない場所に観光に行こうということで、神奈川県内でも屈指の観光名所である箱根・芦ノ湖へとでかけてみました。
神奈川県民でありながら、最も近い観光地である箱根に行くことは、あまりありません。特に、近年のインバウンド需要で海外からの観光客も多く、それに加えて日本国内の観光客で混雑。『通年通して、箱根は混雑している』というイメージもあります。
しかし、この新型コロナウイルス感染拡大の自粛の影響で、箱根もガラガラ。
折角なので、この機会に観光しに行ってみました。
新型コロナウイルス感染症の流行拡大による自粛は、観光のスタイルにも変化を及ぼしました。しばらくは、マイクロツーリズム(自宅から30〜60分でいける小さな旅行)中心の観光になるかもしれません。しかし、そんな変化も楽しみながら情報発信していけたらいいなと思っています。
湖と新緑の箱根神社
箱根・芦ノ湖周辺にある神社といえば、箱根三社参りと言われる「箱根神社」「箱根元宮」「九頭龍神社(本宮)」の三つの神社です。
この三つのパワースポットを巡ることで、多くのご利益にあずかれるということで有名です。今回も、この三つに参拝しようと思いましたが、駒ヶ岳ロープウェイで移動する箱根元宮には参拝できませんでした。駒ヶ岳ロープウェイが、新型コロナウイルス感染症拡大における自粛の影響で休止していたからです。
とても残念。
なので、今回は「箱根神社」「九頭龍神社(本宮)」の二つを参拝することにしました。
まずは、箱根神社。
箱根神社は芦ノ湖の目の前にある神社です。芦ノ湖を手こぎボートで周遊することもできるので、時間があったら芦ノ湖をボートで楽しむのも良いかも知れませんね。
この日は、お天気でしたので芦ノ湖がとてもキレイでした。


箱根神社には参拝者用の無料駐車場がありますので、無料駐車場に停められます。ただ、駐車場から歩いてしまうと参道が通れないので、いったん参道入り口まで戻らなければなりません。
駐車場から参道入口である第三の鳥居までは、折角なので、芦ノ湖沿いに新緑の中を歩いて戻ることに。駐車場から延びている脇道に移動。

平和の鳥居
駐車場から芦ノ湖に延びる側道には「平和の鳥居」が見られます。
この「平和の鳥居」は、湖の上に立つ朱の鳥居です。こちらは、今上陛下の立太子礼と日本の独立(講和条約締結)を記念して昭和27年に建立された鳥居だそうです。
昭和39年には、御鎮座1200年と東京オリンピック開催を奉祝記念し、「平和」の扁額が掲げられました。
通常は、湖に立つ鳥居まで降りられるのですが、今は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で立ち入りは禁止されていました。参道が狭いので密集することをさけるためなのかな?と思いました。
遠目にみながら、湖と朱色の鳥居の幻想的な風景を楽しみましょう。

そこからは、湖側の側道を通って参道入口まで引き返します。新緑がキレイで、湖を眺めながらのプチ散歩は、とても気持ちがいいです。これはおすすめ!
湖では、時々観光船が行き交うのが眺められます。




駐車場から山道入口までの側道は、新緑の緑のトンネルになっていました。この日は日差しが暑い夏日に近い気温でしたが、日陰は涼しく、時折、吹き渡る湖からの風とあいまって心地よかったです。


第三の鳥居と参道
駐車場から参道入口までは歩いて数分。気持ちの良い新緑の道だったので、全く気になりませんでしたね。
こちらが、第三の鳥居 参道入口です。神社通りを歩いて参道に向かいます。

参道は美しい杉木立で、しずかで心地よい空間です。都会の喧騒からしばし離れて、穏やかな気持になります。
神社の無料駐車場に駐車してしまうと、この参道は通らない事になってしまいますので、駐車場に停めた場合でも、ぜひ、第三の鳥居まで戻っていただき、涼やかな参道を通ってもらいたいですね。
この日は気温も湿度もちょうどいい陽気でしたが、これから夏に向かうと暑さも増してきます。でも、ここ箱根神社は湖にも近く、涼やかな杉木立に囲まれているので、比較的涼しいかも知れませんね。




矢立の杉
ちょうど、手水舎の近くには銘木『矢立の杉』がご神木として祀られていました。
こちらの『矢立の杉』は神奈川県銘木100選に指定されています。
この『矢立の杉』の御神徳に因んで矢立の杉をデザインしたお守りが有名です。
「何事にも打ち勝つ!所願成就・心願成就」の「勝守(かちまもり)」として授与されています。


御社殿
本来であれば、手水舎で手を清めてから御社殿へと向かうのが正しい参拝マナーですが、現在は新型コロナウイルス感染症の影響で手水舎が使用禁止になっていました。なので、今回はそのまま御社殿への石段を登ります。
こちらは第四の鳥居。目の前には、さらに木立に囲まれた涼やかな石段が続きます。ここまででも、かなり心が癒やされます。





ようやく御社殿に到着。目の前が拝殿です。御社殿は権現造りなのだそうです。拝殿から下がって幣殿、そして御本殿と一体となった造りになっています。

清めの湯
御社殿に向かって右側には『清めの湯』が湧き出ています。ぬるま湯の温泉水のようです。チョロチョロとしたたる清めの湯を手にとって、手を温めて清めます。お参り前に手を清めるためにも、こちらのお湯を手にとってみると良いです。





龍神水
御社殿に向かって右側には『龍神水』が湧き出ています。龍神水は境内から湧き出たご神水。9つの龍の口から水が流れています。不浄を清めるという有名なお水で、龍神水は持ち帰ることができます。特に、九頭龍神社は恋愛の神様を祀っていますので、飲むと恋愛運をアップさせるとも言われているそうです。
ぜひ、縁結びのお願いに行った時には、飲んでみると良いかも知れません。ペットボトルで持ち帰りもOKです。龍神水を入れる入れ物を持参するといいでしょう。



安産杉
こちらは御社殿に向かって右側にある『安産杉』です。巨木の杉の木ですが、根本のところに大きな穴があいています。
これが、まるで身ごもっている女性のお腹のようです。この木は古代祭祀の象徴たる神籬 ひもろぎ (栄木)として崇めてきたものだそうです。
これがいつの間にか、この大樹を健全な母胎の象徴とみなし、子孫繁栄を祈る子授け安産の杉と敬仰するようになりました。

参拝の後は、御朱印をいただいて再び駐車場へと戻りました。この後、もう一つの九頭龍神社へと移動。



九頭龍神社 本宮
箱根園
箱根三社参りの一つ、九頭龍神社本宮へは、『箱根園』から徒歩か船でしか移動できません。よって、今回は箱根園に車を停めて徒歩で移動することにしました。


箱根園はプリンスホテルに併設されている、様々なアミューズメント施設が入っているパークです。水族館やお土産屋さんなどが並んでいます。新型コロナウイルス感染症の関係で休園している施設もあったのですが、湖に面した広々としたパークは気持ちよかったです。
ここから九頭龍神社本宮へと向かうモーターボートがでていますので、モーターボートを使う方はこちらで手配します。
九頭龍神社までおひとりさま ¥2,000 ※箱根園桟橋から箱根九頭龍の森桟橋の往復のモーターボート代、箱根九頭龍の森入園代を含む |
こちらが箱根園のパークの写真です。





セラピーロード
九頭龍神社本宮へは、箱根 駒ヶ岳ロープウェイの乗り場のガード下をくぐって、箱根プリンスホテルから延びている遊歩道を通って向かいます。
こちらを左に曲がると遊歩道に続く道があります。標識などが無いので迷いますので注意してください。


曲がった先に遊歩道の標識がありました。

箱根プリンスホテルの横を通り過ぎます。

この先が九頭龍神社本宮に続く遊歩道入口。

ここから緑のトンネルになります。セラピーロードと呼ばれるそうです。確かに新緑の美しい湖に沿った道で、とても気持ちがいい遊歩道です。
九頭龍神社本宮へは、ここから片道30分ほどです。軽いウォーキングにちょうどいい。遊歩道の木漏れ日模様がとてもキレイでした。

歩いていると、所々で湖が見られます。湖面を走る遊覧船が気持ちよさそうです。今度は、遊覧船に乗ってみようかなと思いました。

片道30分のウォーキングとされていますが、新緑を見ながら歩くとあっという間です。全く苦にならなかったです。


ここまで歩いて、ようやく九頭龍神社本宮へと続く『樹木園九頭竜の森』に到着。

この先のゲードで入園料(600円)を支払います。遠くに見えるのがゲートです。樹木園「九頭龍の森」に入るには、13日の祭典日以外は樹木園施設管理費が徴収されます。
九頭龍神社本宮の参道までは、樹木園内を通らないと行けませんので注意してください。また、開園時間は9:00~16:00ですので早めに向かいましょう。

白龍神社
ボート等で湖から参拝する場合はボート代に含まれますので無料で入れます。ボートもよし、歩くのもよしですね。
ゲートをくぐると正面に湖が広がります。ここからは、さらに湖沿いに九頭龍神社本宮まで数分歩きます。
ゲート入り口には白龍神社もありました。九頭龍神社本宮に参拝前に、まずは白龍神社に御詣り。真っ白な鳥居がキレイです。こちらにも参拝してから九頭龍神社本宮に向かいましょう。



こちらは桟橋。

桟橋の横に、九頭龍神社本宮へと続く道の標識があります。


湖畔の道
ここからの遊歩道もとても気持ち良かったです。ここからは湖におりれる道になるので、時々、湖におりたりしながら歩きます。すごく癒やされます!

湖は海と違って潮風ではないので、肌にベタつかずサラリとして過ごせる所が良いところですね。波も静かで散策しやすすく、時折ボートが通るたびに、静かな波がおこります。





湖に浮かぶ朱の鳥居
少し歩くと、九頭龍神社本宮の朱の鳥居が見えてきます。こちらの鳥居も湖に浮かんでいて幻想的。遠目に見ても絵になりフォトジェニックです。



本宮に到着
ようやく、九頭龍神社本宮に到着しました。緑の木立の中に朱の社が幻想的です。とてもキレイ。歩いてきたので、達成感がありますね。

九頭龍神社本宮は、芦ノ湖の九頭龍伝説の聖地です。
毎年6月13日の例祭と、毎月13日の月次祭でこの伝説を再現する龍神湖水の神事が執り行なわれます。
昔、人民に被害を与えていた毒龍に萬巻上人が湖中に石壇を築いて調伏の祈祷を行ったところ、毒龍は形を改め、寳珠并に錫杖を捧げて帰依し龍神となったのだそうです。
今では、開運隆盛、金運守護、商売繁盛、縁結びの龍神様として崇められています。





こちらは弁財天社です。



箱根園から九頭龍神社本宮までは、往復1時間強かかります。ゆっくり歩くともうちょっとかかると思います。なので、おトイレは済ませてからウォーキングに入ることと、虫よけや汗拭きタオルなども持参しましょう。
また、夏場は熱中症になりやすいので水分も持ってでかけましょう。
湖沿いの遊歩道は、かなり気持ちいいです。ぜひ、皆様マナーを守りながら参拝しにいってください。次はモーターボートで行ってみたいです。
また、九頭龍神社本宮には社務所がないので、御朱印は先程の箱根神社でいただきます。なので、先に九頭龍神社本宮に参拝し、その後に箱根神社に立ち寄り、二つの御朱印をいただくほうが良いかも知れません。