2007年に完全復元された箱根の関所
緊急事態宣言の解除後、早速、週末観光を開始した訳ですが、やはり自粛ムードからまだ抜けきれていないのか、比較的ゆったりと観光できる日々が続いています。以前は、どこに行っても外国人観光客とシニア層の観光客に溢れていましたが、入国制限による外国人観光客の減少は想定内としても、国内のシニア層の観光はまだ動いていないように思われます。
感染後の重症化リスクの高い層なので、みなさん慎重になっているのかもしれません。また、旅行会社のツアーなども、まだまだ回復しきれていないのでしょう。しばらくは、個人客により観光を支えていかなければなならない期間が続くのかも知れませんね。
さて、前回のブログ記事で『箱根 芦ノ湖』の観光みどころをまとめましたが、今回の記事は、その続き。『箱根 関所跡』の見どころについてご紹介いたします。
箱根 芦ノ湖のブログ記事はこちら |
箱根神社と九頭龍神社の参拝の後、帰り道の途中にあった『箱根関所』にも立ち寄ってみました。箱根の関所といえば、誰もが知る有名な関所ではありますが、私は行った事がありませんでした。現在は、新しく完全再現されていて観光スポットになっている、という事は知っていましたが、観光として訪れたのは初めて。行ってみると、その再現クオリティが圧巻すぎて驚きでした!
まずは、『箱根関所』についておさらいを。
箱根関所は400歳
箱根関所とは、改めて言うまでもなく誰もが知る、江戸時代交通史の重要な史跡です。そもそも、箱根関所が現在の場所に設置されたのは江戸時代の初期である1619年のことと言われています。単純計算すると、昨年(2019年)でちょうど400歳になりますね。
江戸時代の徳川幕府が設置した関所は53ヶ所。その中でも、中山道の木曽福島、群馬県の碓氷、東海道の新居、そして箱根関所は重要な関所として位置づけられていました。
そもそも、当時の関所では何が行われていたかというと、特に出女(でおんな)と入鉄砲(いりでっぽう)の取締りでした。
出女(でおんな)とは、人質として江戸に住まわせていた大名の妻子が逃亡するのを防止する目的として行われ、入鉄砲(いりでっぽう)とは、江戸を攻めるための鉄砲の流入を見張るために行われていたと言われています。
実際には、関所では入鉄砲(いりでっぽう)の取締よりも、主に出女(でおんな)を厳しく取り締まっていたそうです。
この『箱根関所』では、実際に行われていただろう取締りに関わる施設など完全再現されており、リアリティあふれる施設となっています。2007年にオープンしており、とてもキレイな施設でした。

京口御門
まず、箱根関所の駐車場に車を停めると、階段下には『箱根関所資料館』が見えてきます。駐車場から行くと関所よりも先にあるのですが、帰り道に寄った方が分かりやすいかもしれません。


『箱根関所資料館』を素通りして、芦ノ湖沿いに関所の方に向かいます。

まずは、江戸口御門と千人溜があります。千人溜とは旅人が関所を通るために待機する待合所。こちらが江戸口御門です。

江戸口御門の前には『矢場』がありました。ここは弓矢をうつ練習をする場だそうです。芦ノ湖の方に向かって矢をうつそうです。

箱根関所についてなんて、ほとんど知らなかったのですが、リアルに作られた関所を見ながら、江戸時代の様々な事を知るキッカケになり面白いと思います。これからは時代劇などの映画を観るときも、さらに理解が深まるかも。
箱根関所は、6:00〜18:00までの間に通れる関所でした。午後6時には閉門したそうです。そのため、午後6時以降は旅人であっても関所を通れなくなるため旅籠に泊まって翌日箱根関所を目指しました。閉門が早くて、当時の旅人は困っただろうなぁ(笑)
先に、券売所でチケットを購入する必要があるので、まずは江戸口御門から道の真ん中を歩いて券売所までいきます。チケットを購入しないと建物を詳しく観ることはできませんのでご注意を。
こちらが券売所です。

京口御門
券売所でチケットを購入したら、さっき来た道を江戸口御門方面に戻るような形で施設を鑑賞します。まずは、反対側の御門である京口御門。券売所の目の前にあります。こちらにも旅人が待機する千人溜があります。
つまり関所の江戸側と京側にそれぞれの門があり、その中に取締をする番所があるという構造です。こちらが京口御門の千人溜です。





厩
京口御門のすぐ脇に『厩(うまや)』があります。五頭の馬がつなげられるようになっていたそうです。
また、箱根関所はすべての壁が、『渋墨塗』という黒い塗装が施されています。柿渋と松木を焼いた煤(すす)を混ぜたものだそうで防虫効果があるのだそうです。丁寧に再現されたものだそうです。真っ黒でとてもシックでした。



大番所・上番休息所
こちらが、大番所と上番休息所です。この部屋には役人がつめており、旅人の関所改めを行っていました。関所の中心となる建物です。中には人見女(ひとみおんな)や役人の人形が配置されており、当時の様子を再現しています。




足軽番所
大番所・上番休息所の向かいには『足軽番所』があります。ここには、関所破りをした罪人が収容される獄屋や、足軽が控えていた控室などが見学できます。




遠見番所
足軽番所の裏側には、高台の上から芦ノ湖や街道沿いを見張る『遠見番所』があります。100段近い階段を登って遠見番所まで行くことができますので、ぜひ行ってみてください。
高台からの絶景が清々しいです。






遠見番所がある高台から望む芦ノ湖です。ここから芦ノ湖沿いに侵入してくる不審船を見張っていました。風も気持ちいい!



お土産とお食事
箱根関所の中には数店舗のお土産屋さんやお食事処があります。あまりお腹は空いていなかったのですが、お蕎麦屋さんがあったのでお蕎麦をいただきました。ここのお蕎麦は、田舎そばでとても美味しかった!おすすめですよ!
塩辛などもあったので、お腹が空いてたら、もう少し食べたかったな。





箱根関所資料館
箱根関所を満喫した後は、箱根関所資料館で様々な展示物を鑑賞できます。各種の関所手形など箱根関所の歴史を学ぶ事ができますので必ず立ち寄ってみましょう。
全国に53か所余りのあった関所の中でも、当時の姿を完全復元している関所は日本で唯一箱根関所だけなのだそうです。実際に、江戸時代末期に大規模な改修工事を行った際の資料が残っていて、それを元に2007年に大幅リニューアル(完全復元)しています
とても貴重な復元ですね。箱根神社、九頭龍神社、芦ノ湖とセットで、ぜひ立ち寄ってみてください。

概要 |
開館時間 | 9:00~17:00(12月~2月は16:30まで) ※入場は閉館の30分前まで |
観覧料金 | 大人 500円(箱根フリーパス等、400円) 小人 250円(箱根フリーパス等、150円)※団体料金あり ※障がい者等無料制度あり |
アクセス | 【電車・バス】小田原駅・箱根湯本駅より 「箱根町港行」箱根登山バス、または 「箱根関所跡行」伊豆箱根バス利用 小田原駅より約55分、箱根湯本駅より約40分 箱根関所跡下車徒歩2分 【車】 小田原厚木道路小田原西ICより箱根新道を経由し約40分 東名御殿場ICより車で50分 / 国道1号三島より車で40分 ※専用駐車場はございません。近隣の駐車場をご利用下さい。 【船】 箱根海賊船「箱根町港」より徒歩5分 箱根 芦ノ湖遊覧船「箱根関所跡港」より徒歩2分 |