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【旅コラム】夏の靖國神社参拝〜国を靖(安)んじるという名の神社〜

令和元年の今年、東京都千代田区にある靖國神社は、創立150周年を迎えた。靖國神社の起源は、明治2年(1869年)に建てられた招魂社である。そのころ、明治維新の大変革にみまわれた日本は、戊辰戦争をはじめとする、様々な内戦で多くの日本人が命を落とした。

そこで、当時の明治天皇が国のために命を落とした人々の霊を慰めるために招魂社を創建。その後、明治12年(1879年)に靖國神社と改称され、今に至る。

靖國神社は、九段下の駅から徒歩5分のところにある。いつ来ても、都会の真ん中とは思えないほどの静寂さに包まれ、心を落ち着かせる。靖國神社といえば桜の木だ。春の桜の季節は、美しい桜に魅了され、それ以外の季節でも、青々とした桜の木々の下は、一瞬の清涼感に包まれる。

この真夏の暑い日でさえ、桜の木々の下にいると、そこだけが涼やかだ。

今年も、日本は、8月15日に終戦の日を迎えた。

私は、8月のお盆休みは帰省することが多く、ほとんど終戦の日に参拝することはない。ただ、少し時期をずらして、靖國神社に参拝をするようにしている。今年も、お盆休みから1週ずらして靖國神社へと参拝に行ってきたのでブログに記録しておきたい。

『慰霊の庭』と『さくら陶板』

今年の靖國神社参拝にて、ちょっとだけ驚いたことがあった。参拝者駐車場近くがとても綺麗に整備されていたのだ。駐車場の敷地内にあるトイレが新設されていて、真新しいトイレがすこぶる綺麗だった。トイレの付近には自動販売機とベンチがあり、ちょっとした休憩もできる。

これも、創立150周年事業の一貫だろうか?その他、参道にある外苑休憩所も工事中だった。こちらも綺麗に改築される模様だ。

あと、第一鳥居(大鳥居)のところは、創立150周年事業で整備された『慰霊の庭』となっていて、『さくら陶板』が設置されていた。

その綺麗な公園には、いくつベンチが用意されていて、木々がつくる木陰で休憩ができるようになっている。

慰霊の庭
慰霊の庭
慰霊の庭

慰霊の庭には、47個(47都道府県)の『さくら陶板』が設置されている。『さくら陶板』は、国の礎となられた御祭神が、歩まれたであろう故郷の土を使用して、神社の象徴ともいえる桜をモチーフにした陶板である。

47都道府県分設置されている。

各陶板には全国各地の護国神社名が記されている。慰霊のモニュメントの一つで、とても綺麗な陶板を見ることができる。

さくら陶板

常陸丸殉難記念碑

折角なので、慰霊の庭を通り、ゆっくり本殿へと散策して歩くことにした。

歩いていくと、『常陸丸殉難記念碑』がある。『常陸丸』とは、日露戦争中時に沈没した陸軍輸送船。ロシアのウラジオストク艦隊の攻撃により沈没した船とのこと。一千余名が犠牲になった。毎年この碑の前で慰霊祭が行われるそうだ。

常陸丸殉難記念碑

慰霊の泉

『常陸丸殉難記念碑』の隣には『慰霊の泉』がある。慰霊の泉は昭和42年に奉納されたもの。戦場にて「お母さん、水を。」と命を落とした兵士たちを偲び作られたモニュメントである。清らかな水を捧げる慈愛にあふれる母を表現している。静かに流れる水の音が、じつに奥ゆかしくもあり、温かくもある。しばし、眺めていたくなる。

慰霊の泉

慰霊の泉の裏側には『戦地の石』が展示されている。沖縄やレイテ島などから運ばれた石がモニュメントとして並んでいる。故郷に帰れず命を落とした兵士のかわりに、日本の地を踏んだ石たち。かつての戦地とつながっているような感覚が感じられる空間である。

第二鳥居・神門・中門鳥居

さて、いよいよ拝殿への参拝へと移動。第二鳥居をくぐり、大手水舎にて両手を清め、神門をくぐり中門鳥居へと。終戦の日から1週ずらしたとはいえ、もう少し人手が多いかと思ったけれど、思ったより空いていて静かに参拝できた。(終戦の日は列になるが….)

少しだけ淋しいような気もしたが、それでも静かな神社は心地よく、『やっぱり、1週ずらしてよかったな』と思った。

第二鳥居

『靖國』という名前は『国を靖(安)んずる』という意味である。祖国を平安にする、平和な国家を建設するという願いが込められている。だからここでは、いつも国家の安寧を願い参拝するようにしている。

この日は、拝殿前の列は短く、速やかに朱印所で御朱印を頂戴できた。

拝殿

神池庭園

今回は、少し時間があったので、御朱印をいただいた後に、神池庭園の方まで足を運んでみた。神池庭園は、境内の奥にひっそりと佇み、より一層涼やかで静かな空間である。神池庭園までの道も緑に囲まれ、心地よい。参拝者も、神池庭園まで行く人も少ないので、静かでおすすめ。

神池庭園は明治初期に作られた庭園。回遊式の庭園になっていて、池をぐるりと一周できる。奥には滝石組みがあり、小さな滝のように水が流れ落ちる。池の中央には、花崗岩の橋がかけらえていて、花崗岩の橋としては日本一の長さなのだそう。

花崗岩の橋
神池庭園
神池庭園

池の水も透明で綺麗。

滝石組み

参拝記念樹(くちなし)

神池庭園でしばし癒やされた後は、遊就館へと。帰りは、参拝記念樹(くちなし)の苗を買って帰路についた。

年に一度、過去の戦争を考え、日本の国の安寧を願う日として、この靖國神社参拝はとても貴重な一日である。靖國神社への参拝というと、ただお詣りして御朱印をいただき帰る方も多いと思うが、時間のあるときには、境内内をゆっくり散策されることをおすすめする。

ここにいると、灼熱の夏の日差しも、どこか柔らかで優しく感じてしまう。

平和な日本で生きるありがたさに触れ、そして、この先もずっとずっと大切にしていきたいと思う、最も貴重な一日であった。

参拝記念樹
記念樹(くちなし)
母の像・パール博士顕彰碑
遊就館
能楽堂

ちなみに、2年前に靖國神社で買った記念樹、サザンカの苗は、こんなに大きく育ちました。今年も一回り大きな鉢に植え替えました。

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