脳には後から挽回できない重要な発達段階がある:隔離児 ジーニー




ナショナルジオグラフィックの番組で
ジーニーという隔離児の話を知った。
ジーニーは、カリフォルニア州の家庭に
4番目の子供として生まれたが、
実の父親の虐待により、12年間隔離され
発達遅滞の状態で保護された女の子だ。
ジーニーは1歳くらいから、
裸で縛られた状態で12歳になるまで
隔離されていたそうだ。
そのため、発見された時の知能は8ヶ月児程度で、
髪はボサボサで、きちんと歩く事もできなかった。
ベビーフードやオートミールを与えられていたため
咀嚼やものを飲み込む事ができず、排泄の習慣もなかった。
しかし、ジーニーは皮肉な事に、
その後の脳の発達と養育の影響の研究に
大きく貢献したのだとういう。

大きく注目されたのは、「挽回が可能であるか」という点だった。

12歳にもかかわらず、8ヶ月児の知能しかないジーニーは
保護されてからというもの、あらゆる言葉をどん欲に知りたがったという。

好奇心旺盛で、いろんな言葉を次から次へと知っていったそうだ。

しだいに、単語と単語をつなげて、
自分の意思を伝えられるようにまでなっていった。

しかし、複数の単語をつなげて文章にする文法や
「どこ?」とか「だれ?」という疑問詞、
「彼」とか「彼女」「それ」などの代名詞、
などは習得できなかったという。

つまり、脳が、言語習得に必要な段階の発達をしそこねていたのだ。


「脳は生後1年間で細胞同士が正しく連結されます。
 さらに、連結を切断する作業も行うのです。
 
 2歳児の脳は細胞の連結数が成人の2倍。
 混沌としています。


 正しく働くためには連結の取捨選択が必要です。


 莫大な数の連結がチェックされ、脳は容赦ない決断をします。


 残すか、廃棄するかを決めるのです。


 ジーニーの脳は、文法を司る部位が刺激されず
 生涯発達しなくなりました。


 ジーニーの経験により、脳には後から挽回できない
 重要な発達段階があると分かりました。」
(ナショジオ 華麗なる天才の頭脳より)

成長期の脳は、あらゆる刺激をうけながら
日々、成長していく。

そこには、近くで愛情を注ぐ
親を中心とした大人達が
大きく影響を与える。

親の愛情は、そのまま子供の脳を豊かにしていくのだ。

しかも、後から取り戻す事のできない
貴重な成長期に、確実に深く注がれていく。

大人になって、私たちは当たり前に
自分の頭で考え、話し、意思表示をしている。

しかし、これは、最初から備わっていたものではなく
明らかに、自分に注がれた愛情だ。

そして、今度は、その子供達が大人になり
子供を産み育て、自分がしてもらったように
愛情を注ぐ、連鎖をつないでいくようにできているのだ。

しかし、本当は、
このジーニーの事を、
私たちは忘れてはならないんだろう。

後では挽回できない、
必要な時期に、必要な愛情と教育を与えなければならない
責務があるということをしっかり知っておかなければならない。


当たり前のように生まれて、
当たり前にように育っていく子供なんて
一人もいない。

一人一人が、こんな大きな責務をつないで
世の中に、元気な子供達をつないでいけるってことを
改めて、知らなければならないと感じた。