(2015年、ゴールデンウィーク旅の記録。岩手県久慈の小袖海岸のリポートです)
霧に包まれた幻想的な海岸線
本州最北端、青森県の下北半島をぐるり一周して、帰りは国道45号線を南下し、2011年の東日本大震災で津波被害にあったエリアを回る形で帰路についた。
青森県から岩手県の県境にあるのが久慈。
2013年の上半期 NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台になった海際の街で、小袖海岸は北限の海女で有名な海岸。
(http://www.kuji-tourism.jp/ama/access/index.html)
国道45号線から外れ、ちょっと海側の道に入り、小袖海岸に向かう。
小袖海岸までの道は、大きく切り立った崖沿いの道路で、すごく狭い。2台の車がようやくすれ違う事ができるくらいの狭い道路を、うねうねと曲がりながら小袖海岸に。
「あまちゃん」でブレイクした年は、あまりの混雑に、常にマイカー規制をしていたそう。
今でも、土日やお盆期間中などは混み合うので、マイカー規制が入る場合もあるとのこと。ただし、車でしかいけない所なので、マイカー規制中は定期便の送迎バスなどで向かうそう。
(事前情報を得てから向かうのがコツ)
また、5月のGW期間中に、この海岸を訪れたのだが、丁度この時期はウニの販売が解禁されたばかりの頃で、実際、国道沿いは直売店の行列ができ、渋滞していた。ウニの販売で渋滞。なかなか都会では観られない光景で感動する。
小袖海岸への細い海岸線は、この日は濃霧注意報がでていたため、霧に包まれた海が幻想的だった。
なんだか、ジブリ映画みたいな風景。


小袖海岸の海女センター

霧の中をさぐりさぐり抜けた所に、小袖海岸が見えてきた。
比較的早い時間帯だったせいか、あまり混雑は見られない。駐車場も広く、止めやすい広々とした空間に、漁師さんらしい海の男が、円滑に誘導してくれる。
前々から思っていたが、海の男は手際がいい。
どこの漁港に行っても、テキパキテキパキ観光客や買い物客を誘導してくれ、仕切ってくれる。サスガだと思う。(笑)

車を止め、さっそく海女センターの方へ。
車を止めたあたりから海女センターまでは、屋台らしい食べ物やさんが並ぶ。
イカ焼きやホタテ焼きなどなど、とれたての海鮮をそのまま食べられる。
前方に見える海女センターは2011年の東日本大震災で津波に流された前施設に代わり、2014年に完成した新しい小袖海女センターだ。
3階建てで、1階は観光案内所や産直施設、2階には海女を紹介する展示コーナー、3階には軽食スペースがある。
海女センターでは、初めて、ドラマにでてきた「まめぶ汁」を食べてみた。
とても美味しかったが、多少の微妙さはいなめなかった。(笑)
新鮮な久慈のウニ
海女センターの隣では、現役の海女さんがウニをさばいてくれる。



ワンコイン(500円)でとれたてのウニを食べることができる。
とれたての新鮮ウニは、まったく生臭さがない。甘みもあるが、どちらかというと爽やかな磯の香りと、絶妙な汐味が絶品。
都会で食べるウニとは、全く違う味だった。
「鮮度にはかなわない」ひたすら、そう感じた。
あともう一つ食べたかったが、あっというまにとれたてのウニは完売。午前中分が完売したら、午後の分まで待たなければならないので、早めに来た方が良さそうだ。
あとで調べてわかったのだが、久慈のウニには久慈のウニの特徴があるらしい。(ウニに種類があるとか知らなかった)
久慈地方のウニは、ほとんどがトゲが長く真っ黒な殻で、中身は鮮やかな黄色のキタムラサキウニ。極上のコンブを主食にしているため、甘みと旨みにあふれた味わいです。生はもちろん、焼ウニ、塩ウニも最高の味わいです。塩ウニを作るときにできる「かぜ水」を調味料として使うのは他の地域では見られない文化です。
実は、2013年の「あまちゃん」ブームが、2年たった今ではどのように変化しているのか、多少興味があった。
ドラマの舞台になった久慈駅付近には、「あまちゃん」のポスターが沢山貼られていて、ドラマ効果が盛んだった事が見て取れる。ただ、全体的には、店先のポスターの色あせと同じようなスピードで、落ち着いてきたように見える。
一時期は、熱狂的なファンに囲まれたんだろう。
2年経って、その落ち着きを見せた頃こそ、地方の街が、その後、どのようにドラマ効果を利用していくのか、その采配が試されるのだろうなと思う。
新鮮なウニの美味しさはゆるぎがない。
都会にはない、圧倒的な商材力があるのだから、これをどのように観光に活かしていくかというテーマが、すべての都道府県に課せられた課題なのだろう。