2011年の3.11の大震災で甚大な被害をうけた南三陸町は
いくつかのエリアにわかれています。
そのひとつ、戸倉地区。
この戸倉地区は、もともと「養蚕」が盛んだった地域だそうです。
(現在は、養蚕農家はほとんどない)
この養蚕の際に、次世代の蚕を育てるために種繭(たねまゆ)というものを育てるそうですが、この蚕は、繭が薄くなり糸は取れません。この繭は捨てていたそうですが、その再利用として「繭加工品」の技術ができました。
(参考:http://www.minamisanriku-togura.com/detail.html)
そして、この技術を継承しているお母さん方がいます。
戸倉地区「水戸辺仮設住宅自治会有志」のお母さん方です。
このまゆ細工は、いろんなデザインがあり、
上記の写真は、クリスマスシーズンにぴったりな
サンタと天使のクリスマスオーナメントです。
(サイズ:約6cm程度・天使 ¥600/サンタ ¥300)
このまゆ細工を作っている仮設住宅の松岡さんは、
震災の日、この、まゆ細工の授業をしていました。
南三陸町の小学校では、新1年生のために卒業する6年生が、
まゆ細工のコサージュを作り贈る風習があるそうで、
その授業だったのです。
3月11日ですから、そういう時期ですね。
松岡さんは、実家を津波にのまれ、両親を失いました。
あの日に、まゆ細工の授業をしていなかったら、
自分も津波に流されていたかもしれない….
いや、両親を救えたかも知れない…..
という様々な想いにかられ、しばらくはまゆ細工から離れていったそうです。
しかし、ある人の言葉をキッカケにし、
再び、まゆ細工に向かうことができるようになりました。
地元の子供達にも、また、まゆのコサージュを作って欲しいと
いう要望にも後押しされたそうです。
再び、まゆ細工の授業をしていると、
津波の記憶が蘇り、子どもたちが
「また地震がくるかも….」と不安になる子もいるそうですが、
「大丈夫だよ」と
励ましながら、今日も頑張ってまゆ細工を作っています。
実際、このまゆ細工のクリスマスオーナメントは、
とても軽くやさしくて、手のひらに乗せると
やさしい気持ちになるような手触りを感じます。
強く握ったら、壊れてしまいそうな
儚さもありながら、細かいディテールまで
愛情を込めて作っているのが伝わるような作品です。
こんなかよわいまゆを扱うということは、
この作品を作る工程が繊細であることがわかります。
このまゆ細工は、色んなデザインがあります。
もうすぐクリスマスなので、今回はブログでクリスマスオーナメントを
紹介させていただきました。