はじめに
*本ブログは映画『ジェイソン・ボーン』のレビューです。ネタバレには配慮して書いてはおりますが、一部ネタバレに近い内容も含まれますのでご注意ください。
先日、『ボーン・シリーズ』の最新作『ジェイソン・ボーン』が公開された。
『ボーン・アイデンティティー』『ボーン・スプレマシー』『ボーン・アルティメイタム』と3作が続き、9年空いた『ボーン・シリーズ』。早速、最新作を観てきたのだが、どうしても『ジェイソン・ボーン』の魅力を語りたくなったので、(過去作も含めて)女性目線からみたジェイソン・ボーンの魅力をブログに書きたいと思う。
映画『ボーン・シリーズ』は、記憶を失った元CIAのスパイが、失った記憶を取り戻し、真実の中にはびこるCIAの闇を暴いていく話だが、途中でスパイの任務を放棄してしまったことで、常にCIAに追われる立場になってしまう。
4作とも、主人公ジェイソン・ボーンをマット・デイモンが演じている。毎回、ジェイソン・ボーンが優れた頭脳で、様々な難関をくぐり抜けながらピンチを乗り切り、真実をつかもうとする姿が超絶カッコイイのだが、同時にジェイソン・ボーンとからむヒロイン女性がいるのも見どころである。
彼女たちの存在がもう1つの物語のベクトルになるのである。この女性たちとジェイソン・ボーンとの距離感と関係性を元に、女性から観てもジェイソン・ボーンがなぜ魅力的なのかを(独断と偏見で)解説してみる。
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にやつかないクールな元スパイ
“Why did you do that?:なぜ(俺を)助ける?
映画『ボーン・シリーズ』では、毎回こういうセリフが出てくる。
毎回毎回、ジェイソン・ボーンは狙われ逃げる立場に陥ってしまうのだが、必ずボーンの逃走を手助けする女性の存在が現れる。必ずしも、そこからラブ・ストーリーに発展するわけではないのだが(アイデンティティーのマリーを除いて)、恋愛感情とは別の次元で誰よりもボーンに近い距離で、彼が難局を乗り越える手助けをしてくれる。
そのたびに、ボーンは“Why did you do that?”と尋ねる訳である。
ミッション・インポッシブルのイーサン・ハント(トム・クルーズ)や、007のジェームズ・ボンドなら、必ずといってもいいほどそこから女性を口説きはじめ、自然な流れでベッドインするだろう。(まぁ、それがこれらの映画の見所の一つでもあるし。笑)
なぜか、他の映画のスパイ像はハンサムで女性の扱いにも慣れていて男性ホルモン全開でSEXY。
でも、ボーンは全く違う。
自分の味方をしてくれる女性が近くにいても、決してにやけないし、浮ついた態度は微塵もない。第1作目の『ボーン・アイデンティティー』で愛したマリーの影響もあるだろうし、常に狙われている立場では、女性を巻き込むわけにはいかないという心境もあるのだと思うが、この硬派なボーンのスタイルが、やはり女性目線で見ると、余計カッコよさが際立つものである。
このボーンのキャラクター作りは、特に女性ファンを唸らせるものだと思う。
にやつかず、粛々と何かと闘っている男性の姿が、最もSEXYなのである。だが、毎回からむ女性たちとは、表面的には近づいている感じに見えるものの、心底気を許しているかといえば、そうでもない。たとえ、味方をしてくれる女性であっても、優秀な元スパイは、簡単に人を信用はしない。
群衆にとけこむ普通の人感
とにかく、ジェイソン・ボーンの外見は特別感がない。
群衆の中にいても目立たず、その他大勢の中で逃げることができる。そのため、毎回、群衆の中での逃走劇(頭脳戦)が盛り込まれるが、それが毎回格好良い。
では、マット・デイモンと同じ年代の俳優さんと比較してみる。
例えば、ジェイソン・ボーンが、レオナルド・ディカプリオだったらどうだろう?あまりにも熱演しすぎて、キャラクターが濃すぎる。(笑)
では、ブラッド・ピットだったら?顔が濃すぎるので、群衆でも目立ちすぎる(笑)これは、トム・クルーズも同じ。
トム・ハンクスでは、なんか人を殺しそうもない。ヒューマン・ドラマのイメージが強すぎて優しすぎるし、アクションが似合わない。体のキレとかも心配。(笑)
イーサン・ホークだったら?知的な頭脳戦は似合うが、アクションに若干の不安を感じるし、なんか、毎回、必ずラブ・ストーリーが始まりそう。(笑)
第1作から、マット・デイモンが演じているのだが、この『普通の人』感があまりにもピッタリ合いすぎて、そこにドラマのリアリティを感じてしまう。特別に濃いキャラクターではないのに、ジェイソン・ボーン=マット・デイモンというイメージが固定化してしまった。
女性1:恋人 マリー
そんな硬派なボーン。
第1作目のアイデンティティーで知り合ったマリーだけは特別な存在になった女性である。偶然出会った2人だが、あれよあれよというまにボーンの逃走劇にマリーが巻き込まれていく。そして、逃走している間に2人の間に特別な感情が生まれていくというシナリオだった。
特別な環境下で知り合った2人だけに、吊り橋効果やストックホルム症候群的な特別な感情が恋愛に発展したことは、なんとなく想像できる。
しかし、マリーは早い段階でボーンに心を許す。
この理由は、余計な事は一切語らない寡黙なボーンだが、いさという時にみせる肉体的な強さと、目に見えない何かを背負っている影の部分に魅力を感じたに違いない。
これは、女性として大いに共感できる。ボーンのただならない人間性には、理由なく惹かれてしまう魅力があるからである。物憂げにうつむく影のある瞳は、女性が引きこまれてしまうポイントである。
シリーズ全作通して、ほとんど笑顔の無いボーンだが、恋人マリーと一緒にいる時だけ、数カットだけ笑顔を見せる。たまらず胸キュンしてしまうポイントである。(絶妙)
女性2:ニッキー
CIAの職員でありボーンの過去をよく知るニッキーの存在も、またボーンを語る時に重要な存在である。
1作目から4作目まで、すべて登場する唯一の女性。
ニッキーは、3作目のアルティメンタムでは特に重要な女性だった。ニッキーとボーンが絡むシーンをつなぎ合わせると、意味深なセリフが散りばめられていて、『昔の恋人ではないか?』という見方もある。
ただ、そこは明確に説明されていないところなので憶測の域を出ない。
本来であれば、CIA側の職員なのでボーンを追い詰める方に協力しなければならない立場なのに、やはりボーンをサポートする側にまわる。
彼女が、なぜそういう心境になったのかは細かくは語られないが、彼女もまた、ボーンを人として信頼した結果であることは言うまでもない。
特に、アルティメンタムでは、ボーンがニッキーがスナイパーに狙われている所を、必死に助けるシーンがある。あのアクションシーンは、しつこいくらいの長いシーンであり、ひたすらニッキーを全力で助ける。あのボーンの姿には、女性の守られたい願望を心底満たすものであり、胸にグッと来るシーンの一つである。(大好きなシーン)
ニッキーとボーンとの関わりは、非常に微妙な関係性ではあったが、危険を承知でボーンに力を貸すニッキーの気持ちは十二分に理解できる。
女性3:パメラ
CIAエージェントのパメラは、ボーンよりもずっと年上の役どころで、マリーやニッキーとはまた違う次元でボーンの力になる女性である。
ボーンを追い詰める立場から、ある出来事をきっかけに、会ったこともないボーンを信じ彼の助けになる存在である。パメラとの関係は、男女の感情とはまた別の次元の交流である。
まるで姉と弟のような雰囲気をかもしだし、ひとまわり大きな器でボーンを手助けする。年上の女性と年下の男性の間で生まれる独特な感情。寡黙でひたすら自分の闇と戦うボーンをみると、母性本能がくすぐられることうけあい。
パメラの正義感から生まれた感情であるとしても、CIAの裏切り者とされている元スパイを容易には信用出来ない。パメラとボーンのからみを見る限りでは、やはりボーンの人間味溢れる魅力が大きいものであることが分かる。
女性4:リー
そして最新作で登場する、CIAエージェントのリー。
20代のキャリアウーマンである知的さと美しさを兼ね備えたリーは、これまで登場したマリー、ニッキー、パメラとは、また雰囲気も異なりラブ・ストーリーが始まりそうな凛とした美しさを醸し出す。
ただ、最新作でボーンとからむリーだけは、これまでの女性たちと若干異なる描き方をしているのは意外だった。
最新作なので、リーについては詳しく解説することはやめておこう。ただ、ここから新しい章が始まる予感を感じさせる役どころであったことは間違いない。知的で硬派で肉体的な強さを持つ、影のある元スパイ。女性目線で観ても、要所要所に深い魅力の散りばめられたキャラクターなので、ぜひ、過去作を観た後に最新作を劇場で!
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