脳を喜ばす だしの味:割烹・小料理「宮わき」 @四谷荒木町




以前、日本経済新聞に、
「味の好みを決める4つのおいしさ」について
こんな記事が載っていた。(※)

 

人間が、「おいしい」と感じるしくみには4つのタイプがあるそうだ。

 

ひとつは「生理的おいしさ」
これは、必要な栄養素を含む味をおいしいと感じるもので、
すべての動物がこの性質を持ち、
脳の働きでいえば、視床下部のような本能と直結する部位の作用と考えられる。

 

二つ目は「文化的なおいしさ」
幼いころによく食べた味を好ましく感じるもので、いわばお袋の味を好む性質。

 

三つ目は「情報によるおいしさ」
値段の高いワインほどおいしいと感じたり、
「通の味」「本格派」などと形容される味を学んで、好むようになる性質。

 

四つ目は「病みつきのおいしさ」
これは人間以外の動物も持っている性質だが、人為的に精製した食品を食べたときに強く表れるそう。
自力では止められない、厄介な“おいしさ”があり、それは砂糖や油に現れるそうだ。

 

この中でやっかいなのが四番目の、砂糖や油の「病みつきのおいしさ」。
食べ過ぎればどんどん太り、生活習慣病などの温床となってしまう。

 

これは脳内の「報酬系」という神経回路の作用だそうで、
砂糖や油の味はこの回路を強く刺激するため、食べる手が止まらなくなるとのこと。

脳のしわざとはいいながらも、これらの摂り過ぎは、健康を脅かすため、
とても考えさせられる情報だと思った。

 

しかし、この報酬系の脳を喜ばす味が、もう一つあるらしい。

それは出汁の“うまみ”
これを子供のころからよく食べた人は、この味でも報酬系が働くそうで、
つまり和食の味に対しても、砂糖や油並みの快感を感じる事が分かっている。

 

そうだ、美味しい和食を食べた時は、なんとも言えぬ幸せな気分に浸る。



研ぎ澄まされた、だしの味を味わっている時こそ、
自分の食の欲求を完全に満たしてくれ、至福の瞬間を味あわせてくれるのだ。

 

日本には、「割烹」とか「小料理屋」という、日本ならではのお店がある。

さほど広くなく、落ち着いたカウンターやテーブル席、座敷に座り、
ゆっくりとお料理やお酒を楽しむ事ができるところだ。

 

先日、知り合いに連れて行ってもらったお店も、まさにそういうお店だった。

東京のどまんなか、四谷三丁目の駅から歩いて数分。
静かで大人っぽいお店が並ぶ飲食店街に佇んでいた。

新しい木の香りのするカウンターと、奥にテーブル席が2つ。

メニューは、毎日、奥様が書き下ろすという筆文字で
新鮮な海鮮料理や日本料理が並ぶ。

 

まさに、先に述べた報酬系のだしの味。
人の脳を喜ばせる報酬系の味を、ぞんぶんに楽しめる料理が
気軽に楽しめ、すこぶるホッとする一時だった。

 

カウンターでお食事を楽しみながら、
知り合いと、東北支援について語っていたら、
隣で飲んでいたおじさまが、ちょこっと会話に入ってきた。

 

「私は、体の調子が悪いんで、東北にボランティアにはいけないんですよ。
だから、かわりに、ここで東北のお酒ばかり飲んで支援してるんですよ。」

 

と笑顔で話しかけて下さった。

 

こんな風に、見知らぬ人と、ちょっとした会話もかわすのも
こういうお料理屋さんで食事を楽しむ醍醐味であろう。

 

私は、日本の食文化ほど素晴らしいものは無いと思っている。

 

日本で生まれ、日本の味を脳にしみこませ、
食を楽しんでいるわけだが、そのクオリティは非常に高いと思う。

 

だからこそ、報酬系と呼ばれる「出だしの味」を楽しみ、
日本らしい食を楽しむ事は、このうえない贅沢でもあるということだ。



毎日食べる「食」。

 

体と心(脳)を喜ばす時間を、より多く楽しみたいものだ。

 

 

(※)参考 :日本経済新聞
味の好みを決める4つの「おいしさ」とは 
働きもののカラダの仕組み 北村昌陽 2012/8/26 6:30 日本経済新聞 電子版

 

 

小料理・割烹 宮わき

東京都新宿区荒木町9 正起ビル 1F 03-5379-6545

お刺身盛り合わせ
お通しででたイクラ



店舗面積は9坪。
席数はカウンター席とテーブル席を合わせた13席。

「良いものを安く」をモットーに、ハモやスッポンなどの高級食材を若い世代も楽しめるようリーズナブルに提供。
だし汁は、かつお節や昆布などでとる「一番だし」のみを使う。
このお店では、特に、北海道の真カキがすこぶる美味しかったです。
カキ好きのお客様で、「今日、カキ何個ある?」と聞いて
買い占め(食べ占め)する方もいらっしゃるそうです。(笑)

「スッポン丸鍋」(2,200円)
「ハモおとし(湯引き)」(1,600円)
旬の野菜を使った「炭火焼き野菜盛り合わせ」(750円)
「冬瓜含ませ煮しょうがあん」「だし巻き卵」(以上600円)
「酒肴(しゅこう)三種盛り」(750円)

営業時間は17時~22時30分(ラストオーダー)。定休日は未定。

 

※電話で確認してから行ったほうがいいと思います。

 


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