世界の終わり




岩井俊二監督の有名な作品で、“PiCNiC”(1994)という作品がある。

その中で、思わずハッとする台詞を主人公が話す。

 

『世界の終わりを見に行こう』
『私が死んだら世界の終わり』

そのセリフを初めて聞いた時、心の底からハッとした。

 

昔から、なんちゃらの予言など、人類滅亡論がまことしやかに囁かれる。
しかし、決して世界は終わらない。

 

でも、自分が死んだら、確かに“世界は終わる”のだ。
その意味が、心の底から腑に落ちた時、この一瞬このすべてが愛おしく輝いてみえた。

 

今日、
長いお付き合いのあった身近な方の訃報をうけとった。
あまりにも突然で驚いてしまい、まだ実感もわかない。

 

ただ、一つだけ悔やまれる。

 

ここ2〜3年、お会いしなかったなぁと。

 

近くに住んでいたのに、すぐ会いにいける距離だったのに。
いつでも行けるから….と、会いに行かなかった。

人は、たとえ亡くなっても、誰かの記憶の中に生き続ける。
しかし、『生』と『死』の実感は、本当に『存在』しているか否かで全く異なり、もう二度と会えない現実と向き合わなければならない。

 

私だって、明日の命など保障されていない。
突然、世界の終わりがやってくるかもしれない。

 

そう。

世界の終わりは遠い所にあるんじゃない。
“私”という世界が始まった瞬間から、世界の終わりと共に生きてるんだ。
心からご冥福をお祈り申し上げます。