※本ブログ記事は2015年7月1日に書いたものです。現在、『しょうゆきゃふぇ』は元町ストリートに移転しています。(2019年7月31日追記)
横浜名物 エリゼ光の生プリン
横浜に住んで長いが、本当に横浜は住みやすくて大好きな街だ。
いまでこそ、横浜といえば、みなとみらいエリアのオシャレな夜景が代表とされるが、元々は異国情緒豊かな建物とロケーションが残るエキゾチックな香りが横浜の良い所であり、横浜在住の私でさえも、時々、そのレトロな横浜の空気を吸い込みたくたり、理由もなく横浜の観光スポットを歩いたりする。
中でも、横浜の観光スポットで一番のおすすめは、やはり横浜の山手エリアだろう。
数年前、東急東横線がみなとみらい線とつながり、東京と横浜元町・中華街が直線で結ばれた。
この、みなとみらい線の終点駅「元町・中華街駅」が出来る前は、電車で山手・元町エリアに行くのは、結構めんどうだった。関内駅から歩くか石川町駅から歩くかしかなく、いずれにせよ、そこそこ距離がある。
でも今では、「元町・中華街駅」を出れば、そこは元町ストリートの端っこに出るし、エレベーターを使えば急な坂道を登らず、一気に山手エリアまで登ることができる。
実に、感動。
かつては、山手エリアに行くにはうちきパン」の所から、ゼイゼイする坂道を登る必要があって、若干、憂鬱だった。ただ、楽ちんすぎて、多少のレトロ感は薄らぐが、個人的に体力が有り余っているわけではないので、やはり楽な方を賞賛せざるを得ない。(笑)
さて、前置きが長くなってしまったが、今回のブログには、新しい横浜名物である、『しょうゆ・きゃふぇ』の生プリンをご紹介したいと思う。まずは、『しょうゆ・きゃふぇ』について紹介したい。

エリスマン邸内のカフェ
山手エリアには、古くオシャレな建物が沢山残っている。
山手111番館、横浜市イギリス館、山手234番館、エリスマン邸、ベーリック・ホール、外交官の家、ブラフ18番館。これらは、山手西洋館として、横浜市の管轄下で、今でもキレイに保存されており、中に入って見学することができる。『しょうゆ・きゃふぇ』は、これら西洋館の一つ、エリスマン邸の1階にあるカフェだ。(※現在は元町ストリートに移転)

エリスマン邸は、生糸貿易商社シーベルヘグナー商会の横浜支配人として活躍した、スイス生まれのフリッツ・エリスマン氏の邸宅として、大正14年〜15年にかけて山手町127番地に建てられた建物。設計は「現代建築の父」といわれるチェコ出身の建築家アントニン・レーモンド。


昭和57年の時、マンション建築のため解体されたが、平成2年に元町公園内の現在地(旧山手居留地81番地)に再現された建物なんだそうだ。地下ホールは貸し出しスペースとして利用されており、昔の厨房部分に、『しょうゆ・きゃふぇ』が入っている。


カフェは、7つくらいのテーブルが設置されていて、全席が目の前の公園の新緑が眺められるように、窓際を向いていて、すこぶる心地よい。今なら、ちょうど新緑とあじさいの季節。
広々したガラスいっぱいに緑のカーテンのように眩しく生える。このカフェを経営しているのがナチュラルフレンチ エリゼ光 さん。
長い間、当社のクライアントとしてお付き合いしている、横浜を代表とする有名なフランス料理店で、1年半前くらいから、このカフェを支店として運営しているという。
これから紹介する生プリンが有名ではあるが、この山手エリアでは、軽いランチが食べられるお店が少ないので、軽めのランチが食べられるのも、このカフェの売りだそうだ。
そして、もちろん、ここの名物は生プリン。
ようやく出てきた生プリンについて説明する前に、カフェを経営しているエリゼ光さんの紹介をしたい。
横浜を代表するフレンチ
横浜を代表するナチュラルフランス料理店 エリゼ光さんは、山手エリアの外人墓地前、山手10番館の隣のビルの2階にあるフランス料理店。仕事でつながったシェフの六川さんとのお付き合いは長く、よく知っている。
元々、エリゼ光さんは、関内駅付近のオフィスビル街にあるビルの上の階で営業していた。路面店ではないため、広告はもっぱらインターネットと口コミだったように思う。それでも、シェフが生み出す独創的なお料理とおもてなしの良さが口コミでが広まり、数年前に、ここ山手エリアに移転された。
現在の立地は申し分ない。
横浜を代表とする観光スポット(山手)に囲まれた場所で、横浜を代表とするフレンチが食べられる。
素晴らしいことだ。
長い間、シェフの仕事を見ているが、本当に、お料理にとりつかれているというか、なんというか、料理に対するひたむきさには、心底敬服する。ずっと走り続けているのではないかと思う。そんなシェフが、支店としてオープンさせたエリスマン邸内の『しょうゆ・きゃふぇ』。
ここで、独創的な生プリンを世に出した。
遠回しになったが、いよいよ、『しょうゆ・きゃふぇ』の生プリンについて、次の章で紹介したい。

卵黄を混ぜて食べる、そのまま生プリン
プリンの味の醍醐味といえば、牛乳と卵の風味。
おいしいプリンほど、これらのコクは程よく強く、そしてのどごしが良い。
誰もが想像できるだろう、馴染み深いスイーツであるプリン。
しかし、『生プリン』と言われると、皆がキョトンとするに違いない。私も、どんな味なのか食べるまでは想像できなかった。
早速、窓際の席につき、瑞々しく咲く紫陽花を見ながら食べてみることとした。

しょうゆ・きゃふぇで生プリン(¥600)をオーダーすると、エリゼ光さんのロゴの入ったオリジナルの木のトレイの上に、プリントキャラメルとちょっと大きめのスプーンが運ばれてくる。なかなか、クラシカルでオシャレ。まずは、キャラメルソースを少しかけ、上に乗った卵黄を、ぐしゃぐしゃ混ぜて口に運んでみる。
すごく美味しい。
味はプリンだけど、もっと濃厚で高級スイーツという感じ。
『卵黄なので生臭さがあるのでは?』とも思ったが、全く生臭さはなく、卵黄の濃厚なコクだけが味わえる。さらに、キャラメルソースも美味しい。一般的なキャラメルソースというより、やはり上質な風味だ。私は、あまりかけずに最後まで食べたが、恐らく、甘いのが好きな人は全量かけるんだろうな、と思った。
また、舌触りはちょっと独特。
従来のプリンのような、ぷるっという感ではなく、ムースより若干重たい感じの独特な舌触り。卵黄と馴染むと、よけい、滑らかさが心地よい。
私たちが想像するプリンの域は超えているし新食感だ。
この生プリン。開発のきっかけは、この美味しい卵に出会った事によるものだとシェフは言う。コトブキ園さんの最高品質の卵に出会ったことで、この美味しい卵を引き立てる、これまでにないお料理を作りたかったのだそうだ。
美味しい卵はそのままに、おいしい牛乳はそのままに。
素材の良質さを活かし、多くの人に好まれるお料理は何かと試行錯誤したうえで、この新食感の生プリンに行き着いたのだという。上にのった卵黄は、秘伝のタレに漬け込んだものなんだそう。その作り方も何もかも、まったく素人には想像もできない味わいだった。
ちなみに、本商品はエリゼ光本店でも食べられないし、お持ち帰りや発送も行っていない。(※2:現在はお持ち帰りと地方発送可能)新鮮な味わいを、ノスタルジックな山手の緑に囲まれながら、優雅に楽しむのがポイントである。
この新しい横浜名物は、今週末も行列を作るんだろうな。皆様も、お早めにこの新感覚をご賞味あれ!
補足:また、生プリンと一緒に、エリゼ光さんオリジナルの“醤油もろみパン”も名物。醤油もろみパンとは、昔ながらの製法で丹念に造られた天野醤油株式会社さんの、二度仕込みをした寒露醤油をパンの表面に塗り焼き上げたパン。

エリゼ光 お店情報
神奈川県横浜市中区山手町246 カーネルスコーナー2F
TEL:045-621-4890
Lunch 11:30~15:00(ラストオーダー14:30)
Dinner 17:30~22:30(ラストオーダー20:30)
定休日:水曜日
しょうゆ・きゃふぇ お店情報
横浜市中区元町1-30 藤田ビル2F
TEL:045-225-8654