フィジカル10%、メンタル90%




もうすぐ、冬季五輪(ソチオリンピック)が開幕する。

様々な競技が注目される中、
私の中では、やはりフィギュアスケートが
最も気になる競技となる。

 

その理由は、

 

丁度、8年前のシニアデビューから約8年。
バンクーバー五輪を経て、8年間銀盤の上で
挑戦し続けてきた、浅田真央選手の引退試合だからだ。

もちろん、男子の高橋選手や羽生選手も気になるが、
浅田選手だけは、思い入れがちょっとだけ異なる。
(これは個人的な問題でしょうがない)

 

4年前のバンクーバー五輪。

浅田選手は、金メダルを逃して号泣した。
銀メダルで号泣とは、普通は嬉しくてだろうが、
彼女の場合は、「悔しくて」の涙だった。

メダルを逃したことはものちろんのこと、
自分の100%を出しきれなかった後悔が
涙の主な理由だろう。

銀メダルで悔しくて号泣。
しかも、トリプルアクセルを3回決め
合計点は200点をゆうに超えていた。

なんと、レベルの高い悔し涙なのか。

 



あれから4年。

 

一からジャンプの矯正をし、さらに高難度のプログラム構成しに、
だれにも出来ない最高難度のプログラムで望む最後の五輪が、
今回のソチ・オリンピックである。

 

現在、女性では誰も飛べないトリプルアクセルを、
ショート・フリーあわせて、2回〜3回飛ぶのだ。

男子選手でさえミスする前向きジャンプの3回転半。

 

これは、4年前のバンクーバー五輪と同じだが、
今回は、ジャンプとジャンプの間のつなぎや、
ステップの難度、スピンの難度、すべてのジャンプの精度など
すべてレベルアップして望む。

 

 

でも、こんな風に、女性最高難度のプログラム構成で挑んだとしても
金メダルは難しいだろうと言われている。

なぜなら、今のジャッジでは、高難度のジャンプに挑戦することよりも
それなりのジャンプをきれいに決め、出来栄え点で加点を稼ぐほうが、
最終的には高得点がでるからである。
(さらにいえば、この出来栄え点は、ジャッジの主観である

 

現に、他の選手はみな、このスタイルで試合に挑んでいる。

そんな中、浅田選手だけは、代名詞とも言われる
トリプルアクセルにこだわり、高難度の技術で試合に挑んでいるのだ。

 

あまりにも他の選手との闘い方が違うため、
危険すぎるし、結果を出すのは困難だ。

でも、それが浅田選手であり、彼女のフィギュアスケートそのものなのだ。
だから、これで闘う事を、ファンも受け入れて見守るのである。

 

 

 

だから、今回の引退試合は、
個人的には、「悔いの無い試合」で終わって欲しいという気持ちしか無い。

 

8年間、彼女が取り組んできたこと、闘ってきたことを考えると、
メダルの色が、とかにこだわる意味がないと考えている。

金メダルがとれればそれはそれでいいし、
銀でも銅でもいい。
はたまた、メダルがとれなくてもいいと思う。

 

彼女が、「もう悔いはない」という気持ちで試合を終えられた事、
それが、彼女のスケート人生の最終ページだと思うからだ。

 

先日、長野五輪のゴールドメダリストである
タラ・リピンスキーが浅田選手にこんなエールを贈った。



“真央は経験豊富で既に銀メダルを獲得した選手。

五輪は精神面が90パーセント、フィジカルが10パーセント。

心を整えて臨んでほしい”

 

そう。もうやるべきことはもうやってきた。

 

あとは、リラックスして、余分なプレッシャーなど無く、
精一杯、彼女がリンクで踊れるよう、
静かに試合の時を待つ。

8年間彼女を応援し続けてきた私は、一ファンとして
こんな思いで、ソチ・オリンピックを待っている。