富士宮やきそば「前島」




 

よく、屋台などに並ぶ、富士宮やきそば。

B級グルメでグランプリをとってから、一躍、有名な食べ物になった食べ物の一つ。

でも、実際、屋台などでは食べた事があるものの、本場、富士宮に行って食べた事はなかった。

 

この連休、天気のよい日に、富士山を見にいきがてら、この富士宮やきそばを食べに行く事にした。
富士宮やきそばは、いくつかのお店で出されているようだが、一応、ネットの口コミなどを頼りに、「前島」さんというお店へ。「前島」さんは、投票ランキングでも一位をとっている老舗中の老舗。(ランキング:http://butterflybuffet.web.fc2.com/page-fujinomiya.html

 

当日、カーナビが示す場所についたが、その日は運悪く、駅伝のための交通規制で細い道を遠回りさせられた。しかも、このあたりは、一通が多く、簡単に曲がれない。なんとかかんとか、ようやくついたお店は、ものすごく近くまで行かないと見過ごしてしまうほどこじんまりとしていた。

 

扉が開けっ放しの店内は、若い男女のカップルが一組だけ。
かなり混みあうらしいのだが、時間も早かったせいかラッキーだった。

すぐさま、大きな鉄板の前に立つ、小さなお母さんに、「そこに座ってください。」と声をかけられる。

 

一瞬、鉄板の真ん前に座ろうと思ったが、それを制止され、入口付近の、いわば待合スペースでやきそばが焼きあがるまで待つ仕組みのようだ。鉄板の前に立つ、そのお母さんこそが店主であり、有名なお母さんらしい。

 

焼きそばを頼むと、そのお母さんがお話をしながら焼き始めてくれる。

丁寧に作るからか、おしゃべりしながらだからか、結構時間がかかった。(笑)ようやく、焼きあがると、「じゃあ、こちらに来てどうぞ召し上がって下さい」と招かれた。焼き上がれば、鉄板の前に移動してもよいらしい。

 

お母さんは、私がお店に入ってから、ずっとおしゃべりをしてくれる。

もともと、この富士宮のあたりでは、“しぐれ焼き”とい焼き方がメジャーらしい。でも、それは時間もかかるし、フライパンでは上手くいかなため、焼ける人がいなくなったそうだ。最近の、富士宮やきそば店は、駄菓子屋のような鉄板スタイルではなく、焼きあがったものがお客のテーブルに運ばれてくる。だから、“しぐれ焼き”は出せない店がほとんどとのことだ。



そもそも、焼きそばやもんじゃなどは、駄菓子屋でふるまう料理だった。さらに、それを販売する駄菓子屋は、お酒を飲んで戯れる場所だったそう。また、昔の駄菓子屋では、小麦粉と水でといた生地で鉄板に文字を描き、文字を教える寺子屋みたいな役割もあったそうだ。店主であるおばちゃんと子供が鉄板を囲み、そこで社会性を学んだりする場であり、小学校の前にお店を構えることが多かった。

もんじゃとは、“文字焼き”と書く。これが、ルーツらしい。

 

前島のお母さんは、こんなお話をゆっくり丁寧にしてくれる。

 

こんなひとときを過ごす中で、富士宮やきそばとは、こういう駄菓子屋スタイルを楽しむのが醍醐味であり、お祭りの屋台などではなく、これは、やはり地元のお店でいかないと味わえないな….と感じる。

そして、私が焼きそばを食べ終わる頃には、すっかりお店はお客さんで一杯になっていた。

 

また、何よりもビックリしたことがある。

土日や連休などは、観光客(富士山)で溢れ、何時間も待つそうだが、この前島ではお母さんが1人で回してる。

それには、ちゃんとした理由があり、1人で回せる仕組みになっているこのだ。

 

お水はもちろんセルフサービス。客が自分で水を注ぎに行き、食べ終わったらコップは自分で戻しに行く。
焼きそばを食べる時は、鉄板の前に移動するわけだが、焼きそばを盛り付ける皿は無い。
鉄板の上のそのものを箸でつついて食べる。だから、お皿を洗う必要も無い。
注文からお会計まで、お母さんの指示で動くため、お母さんがあれこれ客の対応をする必要も無い。お店が混んでいる時には、電話にも出ないそうだ。(笑)  

なんと、すごい仕組みだろう。(笑)

 

さらには、この前島さん。

派手な宣伝広告をしなくても、ネットやTVで取り上げられているため、お客さんが次から次へとやってくるのだ。富士山観光もあってか、外人さんのお客も多い。

 

「私はみなさんの事しらないけど、みんな私の事知ってるみたいなのよ。」

 

と、笑いながら話してくれた。

 

とにもかくにも、この富士宮やきそば「前島」。
色んな意味で、勉強になったお店だった。

 

そういえば、ちなみにこれが“しぐれ焼き”。
薄いお好み焼きの生地の上に、柔らかいキャベツとパリパリの焼きそば麺がのる。パリパリの焼きそば麺は、ベビースターラーメンみたいな歯ごたえだった。

ご当地グルメは、やはり地元に足を運んで食するのが一番だな。




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