音のない世界。
光のない世界。
瞬間のそういうものに憧れ、癒されてしまうのは、
日頃から、多くの音や光に囲まれているからなのでしょうか?
お寺や仏像を拝観するのも好きで、
時々、大仏さまや観音様に会いたくなります。
今日は陽気な天気に誘われて、
茨城県の牛久大仏に行って来ました。
青空にそびえ立つ牛久大仏様は、全長120メートル。
立像の高さは世界で3番目。
ブロンズ立像としては世界最大。
浄土真宗東本願寺派本山東本願寺によって造られました。
お天気に恵まれ、壮大な青空に、そびえ立つ御姿は美しく、
かざした手の下にいるだけで、何かにつつまれているような気がします。
大仏さまのご胎内に入ると、エレベーターで胸の高さまで登ることができます。
入口に入ると、照明が落とされ、真っ暗闇になった状態から、
大仏さまの胎内、浄土の世界への誘われます。
かすかに漂う香の香りに、すぅーっと深呼吸してみました。
中はとても静かで、薄暗く、拝観している人々が
歩く靴音しか聞こえないくらい穏やかです。
いつしか、うっすらと眠気に誘われる気がしました。
それくらい、私の心も穏やかになっていくのです。
大仏様の胸のあたりには、3つの窓から眼下が眺められます。
この窓は、どこから観ても同じ景色が見えるのです。
この3つの窓は、私達が迷わず信心を深めるため、
心をひとつにさせていただけることを表現しているとのことでした。
静かな静かな大仏さまのご胎内を、
ゆっくり巡り、やがて落ち着く自分の心に、
これが極楽浄土なのか、と感じます。
この後、生をまっとうした後で、
極楽浄土が本当にあって、極楽浄土に行けるかどうかは
私にはわかりませんが、
こうして、疲れた日常を、ほんの少しだけ癒してくれる
大仏さまの存在そのものが、生きた極楽浄土に違いない、と感じます。
青空と、大仏さまのありがたいご加護に包まれ、
ゆったりした休日でした。
「心は、
人を佛にし、
また、畜生にする。
迷って鬼となり、
さとって佛と成るのも
みな、この心のしわざである。
だから、よく心を正しくし、
道に外れないよう努めるがよい。」
(牛久大仏)