集客のレシピ


先日、ある歯科医と商談した。

来年の春に開業する先生で、
その開業支援の販促のご相談だった。

今は、まだ勤務医として、
あるクリニックの分院長として勤務しているので
先生のお休みの日にあわせての商談だった。

新規開業とは、もちろん、
患者さん「0:ゼロ」から始める。
すでに通ってきている患者さんを
つれて来れる訳でもなく、
自分の歯科医院のブランドを
一から作る事を余儀なくされる。

今は、昔と違って、
歯科医院が乱立している時代だから
黙っていても患者さんにあふれる時代では
なくなっているという現実がある。

そんな、

新しい境地に飛び込む先生に

「先生は、患者さんを集める事に
 不安とか無いですか?」
と、素朴に聞いてみた。

そしたら、先生が答えた。

「不安が無いという訳ではないけど、
 今のクリニックでも、
 患者さんを取り戻すために
 かなり苦労してやったから、
 それほど大きな不安は無いかもしれないね。

 自分が分院長になったとき、
 患者さんがいなくて、
 ものすごく暇だったんだよね。

 だから、以前通って来てて、
 いつのまにか来なくたった患者さんに
 ハガキを手書きで書いて送ったんだ。

 一人一人、歯のレントゲン見て、
 治療途中の歯の事とかを書いて送ったりした。

 もう、何千枚もね。

 暑中見舞い、年賀状、
 それはそれは何回も出して
 患者さんでいっぱいになるようにしたよ。」
私は、とても驚いた。

歯科医とは、ほんとうに忙しいのだ。
朝から晩まで診療をして、
休日は勉強会やセミナーに参加。
その他に、人材育成や経営、
そして、集客の事まですべてやる。
私の知っている歯科医はみんな忙しい。

そんな中、先生は患者さんを呼び戻すため
何千枚ものハガキを書いて集客をしたというからだ。
お客様を一人呼び込むために
経営者は、できる限りの事をするだろう。
広告を出すかも知れないし、
Webにテコ入れをするかもしれない。
また、チラシをまいたり、看板をだしたり。
ただ、この先生は、一人一人に、
手書き文字で気持ちを伝えるという
ベーシックなアプローチで集客を実現した。

1枚のはがきは、

何よりも変えがたい効果をもたらす。

「先生が自分のために書いてくれた」
「先生が自分のレントゲンを見直してくれた」
「先生がもう一度来院してくださいと言っている」

誰かが、自分のためにしてくれたというぬくもりなのだろう。

実は、集客のための苦労とは、ほんの瞬間的なものだ。
その一つの自分のアプローチにより
一人でも顧客が門を叩いてくれた時の
充実感と感動は何にも変えがたいものがある。
このような、ぬくもりを伝えられる集客のレシピを
もう一度、原点に戻って考えたいものだ。
誰にでもできて、すぐにでもできる
集客のレシピだから。