世界初、触覚を伝える手術支援両腕ロボット。


医療記事執筆のための取材で、
慶應義塾大学工学部システムデザイン学科の
大西 公平教授に会いに行ってきました。
その取材メモです。

▼手術支援両腕ロボット

外科手術というのは、術者の技術や経験値が大きく関わります。

内視鏡の技術を身につけるには、10年必要だと言われています。

この長い10年間の中で、経験を積み、技術を磨き、
さらに、患者さんの健康を守る、という重要な責務を負うのです。

逆に言えば、これらの技術や経験値が、
コンピューターなどによって、
より簡単に伝承でき、
短い時間でこの経験値を
積むことができれば、
医療界の進歩もめざましいものになっていきます。

慶應大学理工学部システムデザイン学科の
大西公平教授らは、

世界で初めて、

触覚を伝える手術支援両腕ロボットの開発に成功しました。

これまで、医療ロボットは、
様々な研究が多方面で進行してきましたが
これだけ精密に「触覚」を伝えることができるロボットは
世界で初めてだそうです。

内視鏡など開腹をしない手術の時に、
外科医は、アナログで鉗子を操作し、
目に見えない所を探り、診断のための細胞をとってきたり
実際の治療を行ったりします。

この操作を、完全にコンピューターの制御でコントロールし
お腹を開かずとも、実際のガン細胞の硬さなどの
触覚を感じることができ、
かなり正確な診断・治療ができるようになります。

つまり、体内触診です。

これまで、レントゲンでは判断しにくかった
スキルス胃ガンなどの診断も
直接、鉗子を通して触ることで、
より正確な診断ができるようになり、
診断が早まれば、治療開始も早まり
早期発見・早期治療が実現できます。

さらに、このロボット。

インターネットを介して、
その触覚を体験できます。
その場にいなくても、遠隔操作でその触感を
感じることが出来ます。

より専門の医師にみてもらうために
遠隔で診断してもらうことが可能なのです。

また、さわり方の強さもコントロール可能です。

たとえば、分娩前の胎児の胎内診断や胎内治療する際には
力をかけずに、そっと触れる必要があります。
こういった、微妙な力加減も、コンピューターでコントロールでき
正確な操作も可能になるのです。

そして、これらの手術過程は
触覚の感覚も含めて記録できる事も大きな特徴です。

記録することで、医学部の学生や研修医などが、
実際の経験をしなくても追体験ができます。
技術習得の手助けになるのです。

つまりは「暗黙知」の伝承に有効なのです。

このロボットの研究・開発は何十年もかけて行われてきました。

今、この研究が成功した背景には
コンピューターの進化や原理原則の解明など、
沢山あるそうです。

教授の並々ならぬ苦労を助ける、
様々なタイミングがあったということも
教えていただきました。

まとめると、この手術ロボットの意義は

①遠隔で触覚を感じながら外科治療(診断)が行える
微妙な力加減のコントロールで、手術鉗子が扱える
触覚も含め記録することができるため、経験値の伝承ができる

大きく分けるとこの3つです。

日本初の、偉大なる医学研究の礎として

これから先、

大西教授には頑張って実用化していただきたいと
心から願って取材を終えました。

教員名
大西 公平/オオニシ コウヘイ
所属学科
システムデザイン工学科
所属専攻
総合デザイン工学専攻
所属専修
システム統合工学専修
職位
教授
学位
工学博士
直通電話番号
メールアドレス

研究分野
キーワード
ハプティクス/パワーエレクトロニクス/ロボティクス/産業電子/電気機器
研究紹介
情報結合/リアルタイムシステム/医用メカトロニクス/ハプティクス
研究室URL
研究紹介ビデオ
主な学科
担当科目
システムデザイン工学実験第2/パワーエレクトロニクス/システムデザイン工学輪講/電気機器システム
主な大学院
担当科目
複合システムデザイン工学A
修士・博士論文
指導資格の有無
有り

慶應義塾大学 新川崎タウンキャンパス