子供の頃、長く長く感じたこの道。
こんなに短かったんだ。
100メートルとちょっとのこの道に、
色んなものが落ちてたね。
夏は、背丈ほどの草の中をかき分け、
花や葉っぱで遊んだ。
秋は、木の葉の落ちた柿の木に
足を振り上げ木のぼり。
冬は、 長靴をはいてソリを滑り、
スキーで転んでよく怪我をした。
でも、何よりも、春が待ち遠しかった。
雪深い山形の冬は寒く、長い。
雪解けの合図と一緒に吹き出る
新芽と土の香り。
春がくると、
まだ雪の残る土を上を、思い切り駆けた。
いつも変わらず、ここにあるこの道。
いつでも帰ることのできる、この道。