桜まつりでAEDの説明をうけてみたので、改めて心肺蘇生法とAEDの取り扱いについてブログにまとめてみた。


心肺蘇生法とAEDの取り扱い(横浜市中消防署)



先週末は横浜の日の出町駅近くを流れる大岡川の『桜まつり」に出かけました。しかし……桜が咲いてない。(涙)でも、毎年恒例のお祭りが、とても楽しいので固く閉じた桜のつぼみを横目にお祭りを満喫してきました。

ちょうど、お祭りのブースの中に横浜市中消防署のブースがありました。そこで心肺蘇生法とAEDの取り扱いに関するデモンストレーションがあったので、AEDの話を聞きました。

病院で勤務していた頃には、医療用のカウンターショックは触れていたので知っていますが、実はAEDについては良く知らなかったので、とても勉強になりました。

折角なので、心肺蘇生法とAEDの取り扱いについてブログにまとめます。知っていると『いざというとき』に役立つので、ぜひ御覧ください。

救急隊の到着は平均約9分

もしも、目の前で人が倒れ119番通報するとします。しかし、急いで119番通報しても、約9分(全国平均)かかるというデータがあります。

応急手当の目安となるのが『カーラーの救命曲線』。(フランスのカーラーが作成。心臓および呼吸が止まってから、大量出血してから、何分くらい経過すると死亡率が上がるかを曲線で示したもの )これによると、心臓が停止してから3分が経過したとき、呼吸が停止してから10分が経過したとき、多量出血してから30分が経過したとき、死亡率は50%となります。逆に言えば、それまでに救命措置をすれば、助かる確率があがります。

(心臓と呼吸が4分間停止している状態で)救命処置をした場合に助かる可能性は約40%で、何もしなかった場合は20%だと一般的に言われており、その場に居合わせた人がすみやかに救命処置をできるかどうかは、その人の運命を左右するという訳です。



ここでもう1つ抑えておかなければならない事があります。

『心肺停止』と『心停止』、『死亡』の違いです。

『心肺停止』は心臓と肺の機能が停止した状態です。脈が触れておらず呼吸をしていない状態であれば、『心肺停止』と判断されます。その中でも『心停止』とは脈が触れない状態です。しかし、いくら脈が触れないといっても、完全に止まっている=死亡という訳ではありません。実際は、心臓はわずかに動いていて重篤な不整脈が起こっており、全身に血液を送れていない状況に陥っている場合があります。その場合には脈も触れなくなるのです。

なので、この場合は一時的に心停止状態に陥っている状態ですので、適切な救命処置をすれば回復する可能性があります。

そして、『死亡』というのは医学的には「心臓・肺・脳の全ての不可逆的な(元に戻らない)機能停止」です。この場合はいくら救命処置を施しても回復は不可能です。よって、『死亡』は医師にのみ判断されます。

救命処置おさらい

まずは、救命処置の一連の流れをおさらいします。

①周囲の安全確認・反応の確認

周囲の安全を確認し、傷病者の反応を確認する。肩をたたき、大きい声で呼びかけ反応を確認する。反応がなければ、大声で叫び応援を呼ぶようにします。

②119番通報・AEDを手配

119番通報をしAEDを手配します。応援を呼ぶのは119番に通報する人やAEDを探しに行く人など、役割を分担するためです。誰も居ない場合はすべて一人で行います。

③呼吸を確認

呼吸を確認します。胸部と腹部を確認し呼吸しているかどうかを見ます。

④胸部圧迫

胸部・腹部の動きが普通でない場合は、心停止と判断しただちに胸骨圧迫を行います。

⑤AED処置

AEDが手配できたらAEDを行います。焦らずゆっくりと装着します。

⑥回復体位

反応はないけれど、普段通り呼吸をしているようであれば回復体位にします。回復体位とは、下顎を前に出し上側の手の甲を顔にのせ、上側の足を90度に曲げ、傷病者が倒れないようする体位の事です。



胸部圧迫について

横浜市中消防署のブースでは、最初に胸部圧迫についてデモンストレーションしてくれました。まずは心臓の位置の確認です。

人間の心臓の大きさは、その人の拳大(こぶしだい)と言われています。自分の親指を中に入れギュッと握った大きさが自分の心臓の大きさです。

そして、心臓の位置の確認です。一般的に左胸に心臓が位置するように思われがちですが、実際はちょうど胸の中央に位置します。救命処置の場合の胸部圧迫は、左胸ではなく胸の中央を圧迫します。

次に胸骨圧迫の仕方のおさらいです。
胸骨圧迫は、自分の手を重ねて組んで下の手の付け根で圧迫します。この時も、胸の中央を圧迫することを忘れないで下さい。



胸骨圧迫は、強く、速く、絶え間なくがポイントです。

成人の場合は約5cmほど胸が沈み込むくらいに、小児の場合は胸の厚さの1/3が沈み込むように圧迫します。胸部圧迫は傷病者に垂直に位置し、力がはいるように圧迫するときは肘を曲げないようにします。圧迫したら、しっかり胸を戻すようにして繰り返します。1分間に100~120回が目安です。極力、中断しないように圧迫し続けます。

思いの外、力が必要ですのでだんだん疲れてきます。その場合は誰かと役割を交代して『絶え間なく』胸骨圧迫を続けます。 胸骨圧迫30回毎に人工呼吸を2回行います。一人しかいない場合でも胸骨圧迫と人工呼吸をこのタイミングで行うのが理想ですが、できなかったら胸骨圧迫だけをくり返します。

AEDの使い方

目の前で人が倒れ、心肺停止(脈が触れない、呼吸をしていない)の状態にあったら、近くのAEDを手配します。(119番通報をすると消防職員も指示をしてくれます。)

AEDを開け最初に電源ボタンを入れます。AEDの中には開けると自動的に電源が入るものもあるようです。このタイプは電源を入れるタイプでした。

電源をいれるとAED自体からアナウンスが聞こえます。アナウンスで指示された通りに操作すれば良いので簡単です。

次に電極パッドを袋から取り出し、傷病者の胸に貼ります。貼る位置は電極パッドに記載されています。落ち着いて貼ります。(傷病者の胸が濡れている場合は、乾いた布で拭いてから貼ります)AEDには成人用と小児用の電極パッドが入っています。小学生以上の傷病者には成人用のものを使用し、小児用のパッドが入っていなければ、成人用でも構わないそうです。

ここまでくると、AED本体が電気ショックが必要か必要ないかを判断します。

音声で『電気ショックが必要です』と流れたら傷病者から離れてショックボタンを押します。(電気ショックの時は誰も傷病者に触れないようにしてください)

電気ショックが終わったら胸骨圧迫と心肺蘇生法を再開します。AEDは2分おきに解析し、その都度音声メッセージを発信します。それに従います。

電気ショックをしていない間は、電極パッドをつけたまま胸骨圧迫をしても構いません。しかし、電気ショックの時には必ず傷病者から離れるようにしましょう。

もしも、AEDが『電気ショックは不要です』というアナウンスをした場合はAEDは必要ありません。電気ショックでは回復できないということです。そのため、そういう場合には胸骨圧迫と心肺蘇生法を行います。

人工呼吸

消防署のブースでは説明はありませんでしたが、ついでに人工呼吸の方法もおさらいします。

人工呼吸を始める前には、必ず気道確保を行います。人差し指と中指をあごにあてて、もう片方の手を額にあてます。そして、あごを持ち上げ頭を後ろに反らせます。額を押さえている手の親指と人差指で、鼻をつまみ鼻から呼吸が漏れないようにします。

大きく口をあけて倒れている人の口を覆い、胸が軽く上がる程度に1秒かけて息を吹き込みます。

胸骨圧迫30回に2回ほど、人工呼吸を行います




以上です。何かの時のために、知っておくと良いと思いました。
ちなみに、桜が一切咲いていない桜まつりの写真をアップしておきます。(笑)