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【書籍レビュー】『愛と尊敬は強制できない』 〜アドラー心理学入門〜

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迷った時は基本に戻る

窓際のカーテンをぬって、ぬるい風がほっぺたを軽く叩く午後を思い出す。

学生時代、座学で学ぶ小難しい学問は、いつも眠かった。
心理学、社会学、人間関係論、教育学、人間学 etc…..

だいたい、学生にとって「概論」とか「総論」とか書かれた書籍は敬遠される。本棚の奥深くしまいこまれ、卒業時までピカピカで保管される運命だ。どこか異次元の世界のようで、何を学びとれば良いのか解らない。当然だろう。

しかし、20歳そこそこの学生時代を経て、その後、教育を学び始めた時、この基礎学問の重要さを思い知らされたものだ。

いざ、自分が学生に教えようとした時に、“ものさし”になるものが、絶対的に必要だった。やはり、概論とか総論とかの知識が必要になってくる。

『人はこういう時、どうなるのか』
『人というものは、どういう存在なのか』
『そもそも、人ってなんだ』

人間を看るには人間を理解しなければならなかったからだ。

でも、今思い起こしてみれば、この教育を学んだ時の学びが、今の自分にとっては非常に大きな影響力を及ぼしていると感じている。毎日、毎日、ややこしい書籍を読み込んでレポートをまとめていた。人間の本質をまとめた書籍に出会うと、目の前が晴れていくような感覚を覚えたし、すごく新鮮だった。答えが解らない時には、基礎(ベース)に戻るのが一番だからだ。

言わずもがな、学問のすべてには基礎があって、応用がある。
総論・概論があって各論があるという、当たり前の事に気づいたのも、この教育を学んだ時の学びだった。

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アドラー心理学に触れよう

そんな事を思い出しながら、先日、アドラー心理学実践入門(岸見一郎(2014)『アドラー心理学実践入門』〜「生」「老」「病」「死」との向き合い方〜,KKベストセラーズ)を読んでみた。アドラー心理学については、学生の頃も深く勉強しなかったので、とても新鮮で面白かった。比較的、実践(生きること)に応用しやすい心理学だし、誰もが気分が軽くなる要素を沢山もっている。

この本は、入門編なので、「アドラー心理学」とはなんぞや、という所を、小走りで広くまとめてくれている。すこぶる読みやすいのでおすすめ。この本を手がかりにして、もっと深くアドラー心理学を読み深めていくためのキッカケ本としては最高だと思う。実際、私も、もう少し深く知りたいと思ったし、もっと勉強してみたいとも思った。

アドラーはユダヤ人の医師で、貧しい人々から高い診療代をとることなく、謙虚な医師だったらしい。1日も休むこと無く、診療と勉学に励み、夜遅くまで友人たちを議論を重ねていたそうだ。

アドラー心理学をざっくりまとめると、こう。

『全体論』:人間を精神と身体、感情と理性、意識と無意識とに分けるようなあらゆる形の二次元論に反対し、アドラーのいう個人心理学は、分割されず、統一された全体としての個人を考察する心理学

『目的論』:分割できない全体としての個人が、何らかの目的を立て、その目的を達成するために行動する。何かをする、あるいはしないという目的がまずあって、その目的を達成する手段を考えだす。例えば、怒りにかられて大声を出すのではなく、大声を出すために怒るのだ。

つまり、アドラーの心理学は、どんなことでも『◎◎したくない』ということが最初にあって、理由は後から考えだされるという心理学。

従来の、(原因があって目的があるという)“原因論的発想から脱却”し、“目的論的”に考えていくことが、アドラー心理学の実践ということだった。

なかなか、新鮮である。

しかしこれらは、しごく当たり前の事であり、自分の気の持ちようで、すぐ変えることができる事なのだから、ある意味アドラー心理学は人々の心に寄り添いやすい優しい心理学のように感じた。

『すべてのことは、自分で決めている。よって、未来にある目的は必ず変えることができる。』
シンプルだけど、日々の慌ただしい人間関係の中では、見落とされがちな大事な要素なのだと思う。

なかなか、興味深い。

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人に強制できない、尊敬と愛

実際は、本書を読んでいただき、実際にアドラー心理学に触れてもらうことが一番だが、この著書の中で、一番印象に残ったフレーズがあったので、最後に引用しておきたい。

“この世で、人に強制できないことが二つあります。「尊敬」と「愛」です。私を愛しなさい、私を尊敬しなさい、と人に強いることができないのは明らかだと思うのです。そうすることが可能だと思っている人はあります。しかし、自分では何もしなければ、尊敬されることも、愛されることもありません。

引用:岸見一郎(2014),p.107,『アドラー心理学実践入門』〜「生」「老」「病」「死」との向き合い方〜,KKベストセラーズ

ドイツの心理学者、エーリッヒ・フロムは、相手さえいれば恋愛は成就すると考えるのは間違いだといっています(「愛するということ」)多くの人は、愛することは簡単だが、愛するにふさわしい相手をみつけることは難しいと考えています。相手さえいれば、恋愛は成就するといわんばかりです。しかし、フロムがいうように、愛することは能力なのです、結婚は始まりであって、ゴールではありません。

引用:岸見一郎(2014),p.104,『アドラー心理学実践入門』〜「生」「老」「病」「死」との向き合い方〜,KKベストセラーズ

じつに、しっくりと腑に落ちる。

誰かに「私を愛しなさい」「私を尊敬しなさい」と強制しても、それは無理なのである。

まさに、人を愛する気持ちほど、理由のみあたらないものは無い。まずは、『愛したい』という目的があって、『〜だから』という理由が後からついてくる。これは男女の恋愛に限定することなく、すべての愛情に共通するものがある。自分の感情を震わす人(もの)と出会ったら、その感情を大切に育みたいものである。

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