書籍レビュー:学校で教えてくれない「分かりやすい説明」のルール




突然、
『昔は、こんなに知らない誰かの文章を読むことなんてあっただろうか?と思った。

 

ここでいう知らない誰か”とは、プロのライターのように書くことを生業(なりわい)としている人ではない、一般素人の方々という意味だ。

 

インターネットが普及してからというもの、パソコンでWebサイトを閲覧していく行動を『ネットサーフィン』と呼ぶようになり、ネット上にあふれる文章を読む機会が多くなった。

 

そもそも、従来のネットサーフィンという行動は、様々な(企業の)Webサイトをあちこち見て回るくらいの表現でしかなかったような気がする。だが、SNSが普及するようになり、多くの人びとが、一気に“一般素人の文章”を読み始めるようになり、このネットサーフィンは随分様相が変わったように思う。

 

そんな私も、御多分にもれず、一般素人の文章に入る訳で、複雑な気持ちでこの文章を書いている訳だが。(笑)

 

SNSの世界では、実にさまざまな人が書いた記事がシェアされていく。読みやすい文章から読みにくい文章まで、さまざまだ。

 

こんな風に、日々、多くの文字情報にさらされ、ふと思う。

 

プロおよびノンプロにかかわらず、読みたくなる文章と読みたくなくなる文章の違いとはなんだろう?

 

もちろん、大好きな人の投稿ならば、読みやすい読みにくいなど考えず、目を凝らして隅々まで見るに違いない。しかし、そうでない場合、どんな文章を書けば読みやすいと思われるのだろうか?改めて、『他人(ひと)に伝わる言葉・文章とは、どういうことなのだろうか?』と考え読んでみた本。

 

小暮太一(2011)『学校では教えてくれない 分かりやすい説明のルール』光文社新書.

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魅力的なプレゼンの仕方や企画書の書き方など、これまで、こういった類の本は色々読んでみたが、意外に、基本の基本をまとめた本は少ない。どちらかというと、ノウハウ的な本が多く、実行に移すまでにハードルの高いものなども多かった。




さらに言えば、分かりやすい文章の書き方の本なのに、その本自体がわかりにくかったりする場合もある。そういう場合は、論外で、さすがに萎える。(笑)

 

本書は、とにかく“読みやすい”
文字も大きいし、余白もたっぷりで、あっという間に読み進められる。よって、記憶にすっと染みていく感じだ。

 

『分かりやすい説明』の本が、わかりにくかったら興ざめなのだが(笑)、この本は読みやすいという所が最大のキモなのではないかと思った。

 

また、様々な層の人々が活用できるノウハウがつまっている所も良い。職業、年齢、性別などターゲットを絞り込むこと無く、幅広い層に有効なノウハウがまとめられていると思う。ビジネスマンはもちろんのこと、OLさんでも、管理職でも、新人さんでも。人と関わる仕事をしている人には、非常に役に立つだろう。

 

これまで、『私は、人に対する説明が苦手』『上手く伝えられない』『なかなか相手がわかってもらえない』などなど、伝え方に苦手意識を持つ人には、おすすめの一冊である。

 

(私は、分かりやすい書き方のヒントを得るために読んでみたのだが)主に「分かりやすい話し方」がメインなので、実践ですぐ使えるノウハウになっているところも便利だ。

 

特に、本書の中で、印象的だった内容がある。

ドイツの心理学者 エビングハウスによると、人は新しく覚えたことでも20分後に42%、1時間後に56%、1日後には74%忘れてしまう。

 

よって、私たちは他人に何かを説明するときには、丁寧で、かつ繰り返し繰り返し説明することが重要なのだということをしみじみ実感させられる。

分かりやすい説明の仕方(ノウハウ)も、分かりやすい文章の書き方も、基本を押さえつつ繰り返し繰り返しトライすることで、ようやく身についていくものなのだろう。日々、それらを意識しながら応用していけば、日々の人間関係も円滑になっていくに違いない。

 

そんなことを考えながら、本ブログの文章も何度も推敲を重ねたりして、ここに至る。