私は、寝室の自分の枕を手作りしている。
手作りといっても、ものすごく大変なお裁縫をした訳でなく(笑)、ぺったんこの和座布団にタオルケットを敷いただけだ。
以前は、枕が変わる度に、肩こりや頭痛に見舞われたり大変だった。
朝起きた時に、頭のダルさを感じることも少なくなかったし、何よりも長い時間寝ないとなんとなくスッキリしなかった。
しかし、手作りの枕に変えてからというもの、こういうことがなったし、寝付きもすこぶるよい。
それもこれも、数年前、医療系の雑誌記事の取材で訪れた、16号整形外科の整形外科医である山田朱織先生のお話を聞いてからだ。
山田先生はお父様の代から、長く整形外科医として枕の研究をし続けている。
「山田朱織枕研究所」というウェブサイトを見ていただければよくわかるが、山田先生のクリニックでは、睡眠時の姿勢からくる、肩こり・四十肩・五十肩・頭痛・腰痛・ヘルニアなどの諸症状を改善するため、患者専用の枕を処方するなど、枕の改善という視点から診療を行っている。
マスメディアなどにも多くとりあげられたこともあり、枕の処方は半年から1年待ちというくらい、全国から相談を受けている有名な整形外科医だ。
運良く、直接お会いして取材させていただくことができたので、山田先生から枕が与える睡眠や全身への影響をしっかり学ぶことができた。取材の勉強のために、先生の書籍も何冊も読ませていただき、枕が私たちにとってどれだけ大切かを身にしみたわけである。
それ以来、先生が推奨している手作り枕を実践し、もうすでに何年もその枕で寝ている。
まず、私たちが知っておかなければならないことは、睡眠とは量でなく質であるということだ。
いくら長い時間睡眠をとっても、それが体にとって良質な眠りでなければ、休んでいない事と等しいとも言える。快眠を得るための条件はいくつかあるが、それらの詳細については、このブログでは割愛する。今回のブログでは、様々な諸条件の中でも、睡眠時の「姿勢」という点に視点をあてて書いてみたいと思う。
まず知っておく必要があるのは、寝る時に良い姿勢で眠れているかということは、そのまま睡眠の質に直結するということだ。枕が高すぎたり低すぎたりすれば首に負担がかかり、肩こりや腰痛の原因になる。また、意外にも知られていないのが寝返りの質だ。私たちは、一晩に20〜30回も寝返りをうつ。寝返りをうつことで、全身の血液循環やリンパの流れを良好に保つ。よって、この寝返りがしにくい枕は、快眠に影響を与えるのだと先生は訴えている。
特に、頭の中央が沈み込む枕。低反発枕や、頭の中心を凹ませてホールドするタイプもよくないのだという。
かくいう私も、かつては上記のような枕を使っていた、しかし、先生の話を聞いてから、すぐさま枕を変えた。
自分の首と頭のカーブに合っていて、コロコロと寝返りを打ちやすい平坦な枕。これが山田先生が推奨する快眠枕だ。 (加えていうならば、寝返りしやすいように摩擦の少ないパジャマや寝具を選ぶのもポイント)
山田先生は、「まず、値段の高い高級な枕が良いという概念を捨てる。自分の好みだからという概念を捨てる。」と言う。これまで、枕について、深い理解のなかった私たちは、パラダイムシフトする必要があるのである。
睡眠は、量より質。 それを叶えるためには、快眠に繋がる寝具を選ぶこと。こんな基本的な事を、山田先生の著書から学ぶことができる。
今回、山田先生の新刊が発売された。(枕を変えると健康になる(山田朱織著) ¥1,404)直々に、新刊を献本していただいたので、本ブログでご紹介する。本書には、明日から使える手作り枕の作り方の他、首枕・腰枕の作り方など、実用的な情報がつまっている。また、根本から睡眠について考えるきっかけになる本であり、多くの人に読んで枕の概念を変えていただきたいと心から思う。 肩こり・頭痛・四十肩・五十肩・めまい・首痛み・睡眠時無呼吸症候群など、心当たりのある方は、まず読んでみて欲しい。