朝露


 

故郷に里帰りした朝。朝露に濡れた草が生える川沿いの道を、制服をきた女子中学生が二人並んで自転車こいで、私の横を通り過ぎていった。私もあんなふうに友達と並んで自転車通学してたな、と思いだした。好きな人の話や部活のこと、テニス部のコーチの悪口、なぜあんなにおしゃべりはつきなかったのだろう?あんな狭い世界だったのに、あの頃の自分には広い広い世界だった。くよくよ悩むことばかりで、すごく息苦しかった。あんな繊細な日々にはもう戻れないな。昔の自分の残像が、私の隣を追い越していった。それを追いかけること無く、私はずっとずっと二人の女の子の背中を眺めていた。(photo:朝露)

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