シェイプ・オブ・ウォーター (映画レビュー)

胸の奥の愛の塊をとりだしてごらん。それは、誰にも邪魔されないし、誰にも汚されない 良い映画を観て感じるリアリティは心を震わせ、まるで自分もスクリーンの中にいるような錯覚を覚え、主人公と一緒に泣き、主人公と一緒に笑う。それが映画の醍醐味であろうし、そんな感覚を味わいたくて、映画を観ているようなものである。 であれば、完全なるファンタジーであれば、なかなか感情移入しずらく、どこか現実味を感じず、取り残 […]

15時17分、パリ行き (映画レビュー)

私は『奇跡』という言葉を信じていない。でも、これだけは『奇跡だ』と言いたい よくある映画のキャッチコピーに『○○の奇跡』とか『奇跡の○○』と使われるのが大嫌いだ。(笑)そもそも、私は奇跡を信じていない。 すべてにおいて、奇跡なんかなくて、あくまでも『必然』という事象の角度を変えた照らし方が『奇跡』に見えると考えてしまうタイプである。 それだけリアリストで、論理的な思考を好むので、映画における奇跡の […]

映画『スリービルボード』レビュー 〜それでも、行き場の無いやるせなさの出口は何処に〜

白か黒か。 善か悪か。 正義か不正義か。 世の中はいつも、オセロの駒をどちらかに返そうとする。 返ったオセロの駒の数で、そして勝利を実感するまで、やらないと気がすまない。 そして、自分の事ならまだしも、見知らぬ誰かの代理戦争までやってのけるのだから、世の中は忙しい。 しかし、皆、裏返ったオセロの駒の色まで吟味しない。そこには、白や黒だけではなく、様々な色がマーブル状に溶け込んで、誰にもジャッジでき […]

映画『デトロイト』レビュー 〜It Ain’t Fair〜

目次 米国におけるブラック・フェイス デトロイト暴動、アンジェモーテルでの事件 圧倒的な臨場感 普遍的な問題『差別』について 米国におけるブラック・フェイス 先日、ある民放のバラエティ番組で芸人さんが顔を黒塗りして笑いをとった事が『差別につながる』『そんなことない、ただの笑いだ』といった類の論争が、ネット上で沸き起こった。 私は、番組を観ていないし、何を論議しているのか分からなかったので、その論争 […]

映画『ハクソーリッジ』わたしたちは、戦争は体験こそしていないけど、(世界を見渡せば)常に戦争が起きている時代に生きている

わたしたちは、戦争は体験こそしていないけど、(世界を見渡せば)常に戦争が起きている時代に生きている (以下文中引用)ー浦添市ウェブサイトー “毎年6月は沖縄県にとっては大切な時期であり、平和を願い、あの激しかった沖縄戦を忘れることなく、後世に伝えるための数々の催し物が行われます。浦添 市では、本作『ハクソー・リッジ』を通じて沖縄戦や前田高地での戦いに関心をもった人への平和学習や、平和パネル展といっ […]

働く大人の女性のためのラブコメ映画『ホリディ:The Holiday』

疲れた頭と心を癒やす大人のラブコメ 目次 映画の世界で凛と煌く女性監督(ナンシー・マイヤーズ) 働く女性の不器用な恋愛 主人公2人の内面を、周りの人との関わりでコミカルに描く アマンダの選択、アイリスの選択 男性に尽くす事と、男性に流されることは全く違う 映画の世界で凛と煌く女性監督(ナンシー・マイヤーズ) 自分のメンタルの状態を選ばない映画というものがある。 どんなに疲れていても、どんなに気分が […]

レッドタートル ある島の物語(2016年:フランス)映画レビュー<3.2点>

抽象化された人間の生 フランス映画ジブリ版 ジブリ映画とされながら、本作はフランス映画である。カンヌ国際映画祭で『ある視点部門』にノミネートされた事などからも、実にクロウトうけする抽象的な作品であった。 全編通して台詞が無いという事が話題になったが、確かにこの作品に台詞は要らない。 むしろ、台詞があったら邪魔だったろう。台詞が無いことで、こんなにも作品の雰囲気を良い方向に仕上げているあたりは、流石 […]

あなた、その川を渡らないで(2014年:韓国)映画レビュー

生きるために必要なものが宗教なら、死ぬために必要なのは、たった一人の愛する人 2014年、本国の韓国で空前の大ヒットとなったドキュメンタリー映画。 劇場での観客動員数が450万人。韓国の人口が約5,000万人だから、10人に一人が劇場で本作を観たという計算なのだそうだ。これが、本映画の最大のキャッチコピーとなっている。 450万人の観客動員数といったら、邦画でいうと、どの映画のレベルなんだろう?と […]

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年:イギリス)映画レビュー

気高く誇り高き、守られるべき尊厳の物語 目次 『国』という括り(くくり)の中でしか生きられない私たち 皆保険制度があるのに、自己責任社会 守られるべき尊厳と、誇り高い人間のプライド 映画収益の50円が寄付される 政治家という職業はいらない、国を動かす『人』でいて欲しい 映画館でフードドライブ!賞味期限が1ヶ月以上ある、缶詰を劇場へお持ちください。 『国』という括り(くくり)の中でしか生きられない私 […]

哭声 コクソン(2016年:韓国)映画レビュー

ひたすら混乱。そして圧倒的な映画力 これほどまで、映画を見終わった後で、ネタバレ解説を欲する映画は無い。 混乱に混乱を重ねた後に、どうやっても組み合わないパズルにフラストレーションを感じるが、それでも言わんとしていることを『知りたい』欲求にかられた。 なので、映画の後は町山さんの解説を聞いて、映画に隠された伏線、メタファー、罠をなんとか理解できた。しかし、監督が描きたかった本筋をしっかり理解するた […]

すれ違いのダイアリーズ(2014年:タイ)映画レビュー

邦画ではなかなか味わえない純粋さ Amazonビデオで観られます。ぜひ、ご鑑賞ください。 軒並み、Filmarksレビュアーさんが高い評価をしていたので、とても気になっていたタイ映画。自国のタイでは大ヒットした作品だそうですね。 タイ映画は『愛しのゴースト』と本作くらいしか観たことが無いかもしれません。 正直、見終わった時に、おもわず『なんで可愛らしい』と感じてしまいました。 冒頭の数分間は、『な […]

ラ・ラ・ランドの余韻に浸りながら、ライアン・ゴズリングの魅力を再確認する3作品

目次 ラ・ラ・ランドを観に行った ラブ・アゲイン(CRAZY, STUPID, LOVE.) きみに読む物語 ブルーバレンタイン ラ・ラ・ランドを観に行った 先日の、(米)アカデミー賞でひときわ賑わいをみせた作品賞。 わずかに作品賞ではオスカーを逃したものの、とんだハプニング効果もあり、大きな話題となっている『ラ・ラ・ランド』。 私も、ご多分に漏れず公開当日に劇場に観に行ってきた。 鑑賞前から、さ […]

グザヴィエ・ドランの世界〜たかが世界の終わり(It’s Only the End of the World)〜

今日は、グザヴィエ・ドラン監督の最新作、たかが世界の終わり(It’s Only the End of the World)を観てきました。そのレビューをまとめました。 (※ネタバレには気を使って書いてはおりますが、一部ネタバレに近い表現もございますのでご注意ください) 家族とは、一番近くて、 一番めんどくさい他人ではあるが 冒頭から最後まで、『なぜ本作は、ドラン自身が主役を演じなかったのだろう?』 […]

NHK BS「巨匠スコセッシ“沈黙”に挑む~よみがえる遠藤周作の世界~」

2017年1月21日、ある1本の映画が公開される。 それは、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙ーサイレンス』。この作品は、あの有名な映画監督、マーティン・スコセッシの最新作というだけでなく、彼が28年の歳月をかけ構想しつづけてきた、懇親の1作であることから、各方面で話題を呼んでいる作品だ。 その公開を記念し、先日、NHK BSで「巨匠スコセッシ“沈黙”に挑む~よみがえる遠藤周作の世界~」というドキ […]

1月~2月☆観に行きたい映画リスト(2017)

2017年も、見応えある映画がぞくぞく公開される予定ですね。早速、1月~2月に劇場に観に行きたい映画を忘備録がわりにリスト化。増えたら、随時更新します♪ 沈黙ーサイレンス 上映日:2017年01月21日 製作国:アメリカ マーティン・スコセッシ監督の『沈黙ーサイレンス』。 マーティン・スコセッシ監督なので、間違いはないと思いますし、日本人俳優の中でも窪塚洋介、浅野忠信、塚本晋也、イッセー尾形(敬称 […]

2016年 私のベスト邦画『永い言い訳』

&nbs p; 2016年もあとわずか。 今年も沢山の名作映画と出会い、その映画の世界にワクワク・ドキドキさせられ、心躍る日々を送ることができた1年でした。 数年前から始めた映画の記録(レビュー)、Filmarksのレビュー数も、あと1本で1,000本です。 多くの映画人の皆様に、沢山の感動と刺激を与えていただいたことに感謝し、また来年も多くの名作に出会える事を楽しみに、1年の締めくくり […]

徹底的に女性目線で『ジェイソン・ボーン』の魅力を語る。

*本ブログは映画『ジェイソン・ボーン』のレビューです。ネタバレには配慮して書いてはおりますが、一部ネタバレに近い内容も含まれますのでご注意ください。   先日、『ボーン・シリーズ』の最新作『ジェイソン・ボーン』が公開された。 『ボーン・アイデンティティー』『ボーン・スプレマシー』『ボーン・アルティメイタム』と3作が続き、9年空いた『ボーン・シリーズ』。早速、最新作を観てきたのだが、どうし […]

映画レヴュー『シング・ストリート 未来へのうた』

昨日の土曜日は、ジョン・カーニー監督の最新作、“シング・ストリート 未来へのうた”を観に行ってきた。 ジョン・カーニー監督は、私の大好きな監督の1人で、過去作の“ONCE ダブリンの街角で”や“はじまりのうた”などの代表作がある。 いずれも音楽映画と呼ばれるジャンルであり、いずれも音楽が生まれる瞬間を物語として描かれた作品になっている。 こちらの二作品については、私のブログで、すでに感想をまとめて […]

“母は僕らの一部” 映画『Mommy』

ちょうど1年前、劇場に観に行った映画 “Mommy”。 それは、若き天才監督の、誰もが待ち望んでいた最新作だった。   日常から隔絶された真っ暗な劇場のスクリーンに浮かび上がる、アスペクト比1:1で描かれたポートレイト風の映画。正直、衝撃をうけた。   もしも、“心”というものが心臓であるとしたら、その私の心臓はゴム風船を膨らませたように大きく膨らみ、その質量は何倍にもなってい […]

(独断と偏見で)今年の映画レビューまとめ

今年も、もうあと少し。 改めて1年間の映画レビュー本数を数えたら、340本くらいでした。年内、あと観て10本くらいなので、365本は無理そうです。残念(笑) とはいえ、今年も沢山の映画をみて、様々な発見と感想を持ちました。 基本的に、巷の話題に左右されることなく、自分の好みの映画をひたすら観るタイプなので、なかなか地味ではありますが、今年の映画総括をしてみたいと思います。 今年公開のものだけでなく […]